欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2023年8月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、腱鞘炎にならないための考え方とカッターナイフの話。レザークラフトファン、クリエイター、若手職人の皆さまにとっての悩み、腱鞘炎予防となるノウハウを特別公開。通常、村木さんがセミナーでお話ししている内容だそうです。スケジュールが合わず、なかなか参加できなかったかたに朗報です。ぜひ、ご覧ください。

*   *   *

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。

*   *   *

毎度です!「腱鞘炎に絶対なりたくない」ムラキです。

rh01.jpg
8月26日(土) ・27日(日) 、東京・八広 八広地域プラザ「吾嬬の里」にて「革にまつわる工具と工法 ~レザークラフトをより楽しむ in すみだ2023夏~」が行われました。
rh03.jpgのサムネイル画像
ミシンメーカー、染料メーカー、そして、「レザークラフトフェニックス」が参加。昭南皮革、高田製革所など、皮革産地・姫路のタンナーが仕上げた上質なレザーをご紹介。ご好評いただきました。
lcf01.jpg
そのコンテンツのひとつとして、セミナー「人に話したくなる革の話:カッターナイフの話」を行いました。

そのなかで、「腱鞘炎に絶対なりたくないからカッターナイフをこれだけ使い分ける」「カッターナイフはこういうメリット、デメリットがある」などを、実際に体験してもらいつつ説明しました。

話が終わった後に、「もっと早くこのカッターナイフと考え方を知っていればこの両手は腱鞘炎になっていなかったかもしれない」と言われたので、セミナーで話した内容の中から抜粋して解説してみましょう。

今回は、
・パートさんやバイトさんを使うためには段取りが重要
・腱鞘炎に絶対なりたくない
・接触する面積が増えれば増えるほど安定感は増す
・カッターナイフはこう使うから腱鞘炎になりやすい
・粗裁ちするならこのカッターナイフがものすごい
を説明してみます。
2308jlia002.jpg

人に働いてもらうには段取りが重要

ムラキは、普段「請負職人」という仕事をしていますがそれほど働いていません。パートさんが動きやすいように環境を整えて、機械や工具を揃えて、技術を教えてお仕事してもらうのが仕事です。決して「自分じゃないとできない」という工程を増やすのではなく、「誰がやっても同じ結果ができるようにする」のが重要なわけです。

パートさんが「これができない」という場合は、「そんな事もできないのか!」というのではなく、できるように段取りを整えていない私が100%悪いわけですし、パートさんが何かしらで怪我した場合も100%こちらが悪いわけです。

腱鞘炎に絶対なりたくない

腱鞘炎は周りの人間が何人か発症しており、その痛さを聞いていたので絶対に自分はなりたくないな、と思っています。同時に、「パートさんにも絶対腱鞘炎になってほしくない」わけです。腱鞘炎になったら仕事としての生産性が落ちてしまいますし、QOL=人生の質も悪くなります。お金儲けのために仕事をするわけですが、仕事が原因で怪我をしてしまうとお金も時間も損失します。仕事如きのために健康を損失するのはバカバカシイと思っています。

私は腱鞘炎になりたくないですが、パートさんにも腱鞘炎になってほしくないと思っています。腱鞘炎にならないために、腱鞘炎の理由や、腱鞘炎になりやすい工程は何か、などを日々ネチネチと考えています。
2308jlia019.png

腱鞘炎にならないために

基本的に腱鞘炎は腕の酷使により生じます。だから「酷使しない」ことが第一です。この場合は「自分が仕事をしない」という意味と同義ではありません。

特定の部位だけを酷使するのではなく、「お金払って購入できる工具で楽はできないのか?」「腕の特定部位ではなく、他の部位や腰や背中の筋肉を使うことでダメージを分散できないか?」などを考えます。

また、腕を酷使した、と思ったらお風呂場でマッサージをするなり気を使います。
2308jlia018.png
スマホを使う際も手首や親指への負担を軽減することを意識しています。

ダメージを負うならば分散させる・ダメージの回復を早める。そこまで気をつけないと現代では腱鞘炎になる機会が多いですね。

モノに対する安定性は触れる面積が大きければ大きいほど安定する

この考え方は私が技術を解説する際に至るところで口にします。

例えば、下の写真にあげたように木槌にしても木槌の柄の部分が細いものよりも太いほうが手のひらに接する面積は増えます。「握る」ことに対する接触面積が増えることでより保持しやすくなり、作業している際にずれることが少なくなり効率が良くなります。
2308jlia012.jpg2308jlia013.jpg
柄の細いハンマーは使いづらいのか?というと、用途によってはこの方が便利なこともあります。

革の世界ではカービングやスタンピング、という金属の棒を革に小刻みに打ち付ける、という工法が存在します。これをやりたいならば、デカく重く柄の太い木槌よりも、軽く柄の細い木槌のほうが適しています。柄が細い分、保持しづらくなりますが、小刻みに軽く動かすには適しています。

大きなものを切るならば小型カッターナイフよりも大型カッターナイフのほうが適している

私自身そうですが、小さなカッターナイフでも大きな革を切ったり、分厚い革を切ることはできます。ですが、その分手首や腱鞘や筋にダメージを与えています。

「革を大きく切る」「分厚い革を切る」という際は、大型カッターナイフのほうが安定します。デカく、重く、硬いほうが、保持しやすくなり、重さで安定し、硬いことで力が逃げなくなります。

パートさんが「大きな革を粗裁ちするのか~。小カッター使っていて大型カッターナイフを持ち出すのがめんどいから、小カッター使おう!」というのは許しません。

小カッターナイフでも切れますし、仕事はできます。ですが、見えないダメージが体に蓄積されます。そういう蓄積をなくすのが「パートさんを使う段取り」なわけです。

大型カッターナイフでもこう持つと腱鞘炎への第一歩

大型カッターナイフだと保持する面積が増えるため、しっかりと保持できます。

ペン的な持ち方をする小カッターに比べて、大型カッターナイフは"握る"持ち方をせざるをえませんが、この持ち方も長時間行っていると腱鞘炎になります。
2308jlia010.jpg
カッターナイフは「対象を押さえつけて、引いて切る」という2つの動作を同時に行っている工具です。
押さえつける、という工程で前腕部の筋なり腱鞘なりに負担がかかっています。これらに負担をかけつつ、上腕を引くなり腰や上半身を使って大きな革を切っていきます。

タジマのコーキングカッターJハンドル、という特殊なカッターナイフ

こちらはタジマ、というメーカーが出しているコーキング用のカッターナイフです。コーキングを剥がしたり、目地を切る際に使うためのカッターナイフです。


2308jlia016.jpg2308jlia015.jpg


コンセプトとして、おそらく次のことを考えたのだと思います。

・片手で持つよりも両手で保持したほうがカッターナイフは安定するし、力のロスが少ない。それなら両手で持てるようにしよう!
・刃も分厚く、大きくしたら力が逃げたり、ブレたりしない!だから通常の大型カッターナイフよりも分厚く頑丈な刃を使おう!


結果的に、「片手でカッターを押さえつけて、片手で引くのに最適な形状」をしています。

2308jlia005.jpg
専用のJ型極厚というカッター刃は、触り比べると「明らかにデカくて分厚い」と驚きます。

ですが、革の世界では「片手で押さえつけないと切れない」という硬い素材は使わないので両手で使うことはないと思います。「じゃぁ紹介するなよ!」と思われそうですが、粗裁ちする際にはほんとに便利なんですよ、これ。
2308jlia004.jpg

このカッターは握りやすくて「引いて」粗裁ちするのに最適な形状

このカッターを説明する際は、「あなたの指先のつめが伸びて伸びて伸びて、革をひっかくように刃先を突き立てる。そのうえで右手でこのカッターを引っ張ってみて」と伝えます。そのうえで実践してもらうと「!これは確かに違う!」と感動してもらえます。
2308jlia008.jpg
通常の大型カッターナイフと違って、常時カッターを押さえつけるために微妙に前腕部の筋や腱鞘を使う必要がなくなり、「引く」ことに力を注力できるからです。

セミナーでこのカッターを説明して喜ぶ方は非常に限定的です。革を荒裁ち裁断を何度もおこなうことがある人のみですね、このカッターで感動する方は。

「革を10枚ほど荒裁ち裁断をしてください」と女性パートさんにお願いすると、確実にこの工具を選んで使います。原理はともかく、彼女たち自身が「数々あるカッターナイフの中でこれが腕への負担が少ない」と経験則で学んでいます。

製品開発のタジマとしては「えっ!そういう使い方は想定してなかったよ!」と言われそうですが、革の粗裁ちする際にはほんとに便利な工具です。

触れれば触れるほど安定するから定規も太くて厚い物を使う

さらに革を粗裁ちする際に重要なのは定規。

こちらも粗裁ち用に用意しているのはこちらです。長さ1.2m、厚み1cm、幅3cmほどの鉄の棒です。
2308jlia006.jpg2308jlia007.jpg
重さが5kgほどあり、結構重いです。写真で見るとたいしたことないですが、実際に見た知り合いは「凶器やん、これ」と言われました。こちらも女性パートさんに粗裁ちしてもらう際に使ってもらっています。5kgって定規としてはかなり重いです。

私のモットーは、「工具と機械はデカくて重くて硬い方がいい!」というものです。

これだけ幅が広く重い定規は左手で思いっきり押さえつけなくても革をきちんと固定してくれます。さらに重要なのが、カッターナイフで切る際にカッターの刃に触れる面積部分が大きくなります。
2308jlia009.jpg
上の赤い丸部分が大きくなればなるほど安定します。これが「モノに対する安定性は触れる面積が大きければ大きいほど安定する」ということです。

小さなカッターナイフよりも大きなカッターナイフのほうが保持しやすくなるから、デカい方がいい。
小さなカッターでは刃が小さいので面積が小さくなります。だから大きなカッターナイフの刃のほうが良い。
カッティング定規も、刃に対して触れる面積がデカいほうが安定するから、分厚い方がいい。

じゃぁ革包丁は悪いのか?カッターはどれくらいで折るの?他のカッターナイフはどう違うの?

以前話した大阪の鞄メーカーの高齢職人さんは、

「俺、革包丁使ったことないで?OLFAの別たちってあるやろ?あれしか使ったことない。だから包丁の研ぎ方とか知らんねん」

なんで?別たちの替刃も安くないやん?

「仕事の時間中に研いでいても金にならんやろ?それなら替刃買った方がいい」


おぉぅ、震えるほど合理的だな、と思いましたわ。

革包丁が悪い、というわけではないんです。私は下の写真にある10本のカッターナイフをそれぞれ全部使い分けます。1年に2回くらいしか使わないカッターナイフもありますが、その2回のためだけに置いておかなきゃいけないこともあります。
2308jlia018.jpg
革包丁ももちろん使います。全体の工程の1〜2割くらいは革包丁のほうが効果的かつ効率的なことが存在するからです。

工具は所詮工具です。なんのためにその工具を使うのか。その工具の形状はなぜそういう理由なのか?ということをきちんと理解すると、「あぁこの工程は革包丁のほうがいいんだ」「これは30度の鋭角カッターのほうが良いんだ」「これは軽いカッターナイフのほうが良いんだ」なども理解しやすくなります。

秋からの予定

コロナもあけて毎年恒例のしんどい秋シーズンです。

下のサイトでも書いておりますのでまたご覧ください。


9月15日(金)・16日(土) 千葉 lized工場見学&染め靴ワークショップ

9月30日(土)・10月1日(日) 東京 ジャパンレザーアワード応募作品展示イベント

10月21日(土)・22日(日) 東京 浅草エーラウンド(予定)

11月3日(金・祝)・4(土) 大阪 オーラウンド(新規イベント)


毎月最終金曜日の18:30から大阪 レザークラフトフェニックスで無料のセミナーをしています。
従来は有料の「固定と摩擦」「カッターナイフの話」どちらかを行っています。

どれだけブログで書こうが、YouTubeで話そうが実際に試さないとわかりませんので興味ある方はセミナーにまたお越しください。



カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

2023年8月1日、タクシーやバスの運転手を対象に車内での氏名掲示義務を廃止することを、国土交通省が発表しました。道路運送法などに基づく省令を同日に改正。運転手のプライバシーに配慮し、安心して働ける職場環境に。「2024年問題」(2024年4月1日以降、 自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される)に向け、人手不足解消を狙います。

皮革業界では、大阪の人気ショップ「レザークラフトフェニックス」による従業員のビジネスネーム制導入が話題です。くわしくは下記(【イベント情報】「フェニックスナイト」)をご覧ください。

このほか、今回もイベント、メディア情報ほか、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。


【レポート】トークライブ「靴族会議」

靴の街・浅草の紹介と靴とともに生き、その未来を夢見る、さまざまな人たちを紹介する「NO SHOES NO LIFE(ノーシューズ・ノーライフ)~靴を夢見る人が集う街・浅草~」が7月22日(土)~8月31日(木)、東京・浅草 雷門前 浅草文化観光センター 7Fの展示スペースで開催中です

シューズジャーナリストの第一人者、城 一生さん(クツミライパートナーズ/シューフィル)監修による展示をはじめ、貴重な名靴などの展示、靴製作の実演やワークショップ、足と靴の相談室などの実演企画が次々と行われ好評です。


nsnlスケジュール.jpgのサムネイル画像
8月19日(土)、26日(土)にはトークライブ「靴族会議」(各日14:00~16:00)を開催。
靴族会議会場ヒキ.jpgのサムネイル画像
8月19日(土)は「靴学者(かがくしゃ)たちの未来図/市場激変の令和、靴を学ぶ若者たちはどう生きるか」。東京都立城東職業能力開発センター 台東分校 製くつ科 指導員 藤村孝幸さん、エスペランサ靴学院 学院長 大山一哲さん、靴作家 曽田耕さんをはじめとした靴製作者を囲み、従来にない靴関連の仕事にチャレンジする若者たちの活動ぶりを聞き、よりよいクツミライについて話し合いました。
靴族会議会場.jpgのサムネイル画像
取材でご来場の繊研新聞記者 須田渉美さんも飛び入りで登壇。国内事業者の個展から海外の展示会まで幅広くカバーし、丁寧な取材と的確な分析で信頼が寄せられています。台東分校卒業生も城さんの指名で発言するなど自由に意見交換。世代間ギャップを軽々と超え、前向きな気持ちになる場でした。
靴族会議終了後集合写真.jpg
最後に、参加者の皆さまで記念写真を撮影いたしました。その場でご許可いただき、修正なしで掲載させていただきます。

8月26日(土)は「どうする、どうなる、日本の靴/産業危機の今、靴の新たな価値や可能性について考える」。シューズクリエイター 末光宏さん、3DCAD技術者 島倉和也さん、シューフィッターこまつさん、オカモト 小田哲史さんほか、さまざまなジャンルで活躍する方々が登壇。革靴の新しい市場価値の創造・提案についてのセッションとなる予定。必聴です。

末光さん実演.jpg
8月22日(火)~27日(水)は、末光宏さん(The Shoe Work Shop)による「靴製作実演とワークショップ ザ・シューワークショップ」。革製スニーカーの底縫いの実演を行っています。
末光さんWS.jpg
昨日8月22日(火)にお邪魔したのですが、欧米からの観光客のご来場が多く、国際色豊か。
会場0823.jpg
期間中、英語が話せるクリエイターが日替わりで担当しているそうです。
富士山サンダル.jpg
富士山モチーフのサンダルも好評!

末光さん応対r.jpg
ジャパンレザーファンのお客さまにもじっくり応対し、日本製レザーシューズへのご理解を深めていただけたのではないでしょうか?


8月26日(土)は、川上陽子さんによる「ゲタラボ・一本歯下駄ワークショップ 足と身体のセラピスト」。一本歯下駄の健康プレゼンテーションにご注目を。
下駄01.jpg
取材にお邪魔した際、ちょうど川上さんが打ち合わせにいらっしゃっていて、体験させていただきました。運動不足のおじさんにはハードルが高いのでは?と思ったのですが、丁寧にサポートしてくださり、一本歯の下駄で無事立つことができました。

竹馬で歩いているようで、いつもと視界が変わるのが楽しい。健康プレゼンテーションとのタイトルの通り、体幹が鍛えられるような感じで、全く使っていない筋肉がプルプル・・・。脱いだあとは通常とは違う、身体が軽い感覚があり、一時的ですが姿勢がよくなりました(個人的な感想です)。
下駄02.jpg
大人用のほか子ども用がありますので、夏休みの自由研究にもぴったりです! 近隣にお出かけの際はぜひお立ち寄りください。



【イベント情報】「フェニックスナイト」

人気ショップ「レザークラフトフェニックス」(大阪・奥なんば)の恒例企画「フェニックスナイト」を8月25日(金)に開催。当ブログ連載など多方面で活躍する村木るいさんが無料セミナーに登壇。「裁断における固定と摩擦」をレクチャーします。
 フェニックスナイト村木さん.jpg
毎月最終金曜の営業時間を20時まで延長。「フェニックスナイト」としてイベント化しています。ネットではわからない、色合い・風合いなどレザーの魅力に触れることができますよ。


また、「レザークラフトフェニックス」では、スタッフのビジネスネーム制が注目されています。

ビジネスネームとは、店内での業務および同店公式SNSアカウントの投稿などにおいて使用されるスタッフ個人の名称。アイドルやアーティストでいえば、芸名にあたり、勤務時間外やSNSなどでのトラブルを未然に防ぐことを目的として2023年6月1日から導入されました。

「この一年くらいで売り手市場となり、人手の確保も難しくなっています。会社として、働き手を大事にし、お客さまを大事にしたいからこそ、のビジネスネーム。失われた30年といわれてきましたが、低賃金のスタッフを使い捨てにするということは完全に時代遅れ。いくらでもスタッフを補充できる、という時代にはもう戻りません」(村木さん)

さらには、モンスターカスタマーからの叱責やストーカー行為に起因したスタッフの退職防止対策が急務となっています。



【イベント情報】高松三越「日本革市」

一般社団法人日本タンナーズ協会主催の人気イベント「日本革市」の2023年秋冬シーズン第一弾が、香川県高松市の高松三越 新館5F 催物会場で本日8月23日(水)からスタート。
日本革市main_img_230816_01.jpg
全国各地の革製品メーカー13社が本革の製品を多数ラインナップ。毎回多くのリピーターがご来場。上質なジャパンレザー製品との出会いの場を楽しんでくださっています。会期は8月28日(月)まで。



【イベント情報】「革にまつわる工具と工法」

ものづくりのヒントになるようなイベントを目指して行う「革にまつわる工具と工法 ~レザークラフトをより楽しむ in すみだ2023夏~」が、東京・八広 八広地域プラザ「吾嬬の里」で8月26日(土) ~27日(日) の二日間開催。革に興味がある初心者から経験者、クリエイター、ビジネスパーソンまで幅広く参加できます。
 
革に関わる工具・金具・塗料・ミシンなどの活用方法から意図や意味まで深く追求したい方におすすめです。それぞれのスペシャリストが集結。手に取って、各社の担当者から話が聞ける絶好の機会です。当ブログ連載でお馴染みの村木るいさんも運営サイドで常駐します。使用している革や工具、塗料などを持ち込んでの相談も可能です。事前予約制。

 

【スクール情報】全国皮革振興会 皮革手芸教室 

一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)の会員団体のひとつ、全国皮革振興会の皮革手芸教室(東京・蔵前)が9月1日から10月生を募集します。
産業フェア ブース.jpg
全国皮革振興会は、皮革の楽しさや美しさをユーザーに広く周知すべく設立された任意の団体。1966年より皮革手芸教室を開講し、現在までに延べ3,400名が参加。気軽に革のものづくりが楽しめると好評です。

2021年には同じく蔵前エリアの駅周辺に教室が移転。アクセスが便利になりました。問合せ、申し込みなどは下記リンク先をご覧ください。



【YouTube情報】「JLIAtv」

一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)の公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で新作動画公開スタート!


人気コーナー「キーパーソンインタビュー」に「.URUKUST(ウルクスト)」デザイナー 土平恭栄さんが登場。人気テレビ番組「すてきにハンドメイド」(NHK Eテレ)に出演し、話題に。
12d_img_03.jpg
シンプルシックな革小物づくりを提案する著作本「手縫いで作る上質な革小物」「ミニマルスタイルの革小物」(ともに日本ヴォーグ社)が世界中でヒットしていることでも知られています。

今回は、自身のブランド「.URUKUST」の起業のきっかけ、ブランド名に込められた想い、画期的な取り組みで注目されたレザークラフトのキットづくり、著作本・翻訳版の海外からの反響と、おもしろエピソード、海外展開について、保護猫と暮らすなかで気がついたことなど・・・盛りだくさんの内容です。

放送内容を掘り下げた放送後記も併せてご覧ください。


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

EU(ヨーロッパ連合)の気象情報機関は、今年7月の世界の平均気温が観測史上最も高くなったと発表。国連のグテーレス事務総長は、「地球沸騰化の時代が到来した」と衝撃的な表現でメッセージ。これには驚きましたね。

今年の残暑は長く厳しいことが予想されています。秋服へのスライドは、スタイリングの変化がつけにくく、靴やバッグなどの革製品が着こなしのポイントとして注目されるのではないでしょうか? ぜひ、お気に入りをお求めいただきたいですね。

今回もイベント、メディア情報ほか、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。


【レポート】「NO SHOES NO LIFE」

靴の街・浅草2023夏休みイベント「NO SHOES NO LIFE(ノーシューズ・ノーライフ)~靴を夢見る人が集う街・浅草~」が7月22日(土)~8月31日(木)、東京・浅草 雷門前 浅草文化観光センター 7階の展示スペースで行われています。
nsnlパネル02.jpg
nsnlパネル01.jpg
シューズジャーナリストの第一人者、城一生さん監修による「浅草靴産業地図(産地・浅草の概要と特徴の解説付き)」「産地浅草の戦後発展史(エピソード+写真)」など、靴文化の歴史を紐解く展示は、多くの方々にご覧いただきたい内容です。
nsnl展示左ヒキ.jpg
靴文化展示ヒキ.jpg
お近くにお出かけの際はお立ち寄りください。展示内容については改めてお知らせします。
ひさごてい展示ヒキ.jpg
このほか、さまざまなコンテンツが充実。「害獣革・製品展示」は、永松英紀さん(ひさごてい)によるもの。農林業への被害軽減のため、有害捕獲された個体を利活用。特に猪革、鹿革とファーストシューズをメインにプレゼンテーション。8月1日(火)~6日(日)に行われ、会期終了後も一部展示は継続しています。


井上さん実演.jpg
現在、「アツシイノウエ」オーダー靴製作実演と受注会が開催中。オリジナルハンドメイドシューズ手がける井上篤さんが会場に常駐。ライブ感あふれる実演を披露しています。8月13日(日)まで。


nsnlスケジュール.jpg
このほか、週末は、毎日靴ブログで知られる、シューフィッターこまつさんによる「親と子のフィッティング相談会」も開催予定。8月19日(土)、26日(土)にはトークライブも! どうぞお楽しみに。



【イベント情報】山陽「革の相談会・即売会」

姫路の老舗タンナー、株式会社山陽の恒例企画「山陽レザー・デー」が毎月開催。工場見学などを含めたイベントが行われてされていますが、その内容のひとつ、革の相談会および即売会が単独でイベント化。8月22日(火) 10:00~12:00に行われます。

「これからレザーを使いたい」「どんな革があるのか実際に見てみたい」「くわしい話を聞きたい」といったご要望に応え、実際に自社のレザーを見ながら直接ご相談を受ける企画を立ち上げました。その場で革を購入することも可能。今回は人数制限はなく、会社単位のエントリーで5社程度まで。1社で複数人参加できるそうです。
 
同社は創業110年を超えるタンナー(製革業者)であり、敷地面積1万坪の本社・工場にてレザーを一貫生産。皮革生産のほぼすべての工程をご覧いただける数少ない皮革工場です。ご興味のあるビジネスパーソンの皆さま、ご注目を。



【WEB情報】「日本革市」

一般社団法人日本タンナーズ協会主催、国産天然皮革PRイベント「日本革市」公式サイトの人気コンテンツ<革市通信>2023年前半ランキングが発表されました。

皆さまの「推し」ブランド、アイテムの順位は? ぜひ、チェックしてください。



【メディア情報】「ジャパンレザーVOICE」

インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信、「ジャパンレザーVOICE」(#レザボイ)第13回の放送後記「ジャパンレザーVOICEダイアリー」が公開されました。
13d_img_01.jpg
第一特集「ジャパンレザー 旬暦」では、「誰かに教えたくなる」「誰かに話したくなる」「誰かに贈りたくなる」アイテムをピックアップ。比較的手に届きやすいプライスの製品をセレクト。

第二特集「最新トピック紹介」では、「レザーソムリエ 皮革講座 Basic(初級)」と「靴まつりキャンペーン」について紹介。くわしくは下記リンク先をご覧ください。


なお、第14回放送は8月19日(水) 16:00から、アズーリFM公式ウェブサイトよりライブ配信(生放送)の予定です。ぜひ、ご視聴ください。



【イベント情報】「革にまつわる工具と工法」

レザークラフトファンのものづくりのヒントを目指す、「革にまつわる工具と工法」が8月26日(土)・27日(日)、東京の皮革産地、東墨田エリアにほど近い八広で行われます。
 
人気イベント「本日は革日和♪」でお馴染みのメンバーが出展。革に関わる工具・金具・塗料・ミシンの活用方法など、実際に手に取って各社の担当者から直接コミュニケーションしながら理解を深めることができますね。当ブログ連載でもお馴染み、村木るいさんによる技術解説も予定されていますので、お楽しみに!


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

8月4日は「一粒万倍日」「天赦日」が重なる開運日。2023年の最後となるタイミングであり、さらには、「大安」も重なるそうです。財布メーカー各社はSNSなどでアピールし、ユーザーの皆さまの関心も高まっています。夏は革製品が売れにくいシーズンでありましたが、時代やユーザーの嗜好の変化によって、流れは変わりますね。レザーの季節、秋へのイントロダクション的な役割になるとうれしいです。

今回もイベント、メディア情報ほか、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。


【レポート】「日本革市」ショールーム型展示会

一般社団法人日本タンナーズ協会主催、国産天然皮革PRイベント「日本革市」ショールーム型展示会が8月1日(火)からスタート! 
ベータ有楽町外観.jpg
東京・有楽町 b8ta Tokyo - Yurakucho(最寄り駅:東京メトロ 日比谷駅 A2出口)で開催されています。


一枚、一枚、丁寧に。実直に。
受け継がれてきた技と心で、
「皮」は「革」へと姿を変える。
ふれて、感じる、作り手の想いとこだわり。
対話から生まれる、新たな発見と驚き。
「日本の革」の魅力を、存分にご体感ください。
(「日本革市」公式ウェブサイトより)
ベータ有楽町革市ヒキ左.jpg
ベータ有楽町革市ヒキ右.jpg

公式ウェブサイトでのアクセスランキングを軸にアイテムを選定。
ベータ有楽町革市ボード03.jpg
ベータ有楽町革市シューズP.jpg

ベータ有楽町革市シューズ.jpg
腕利きメーカー×タンナーによる革製品をはじめ、製品に使用されたレザーのサンプルも展示され、触れることができるという画期的なスタイルが好評です。参加社は次のとおりです。

【出展メーカー】
株式会社きくひろ
エールック株式会社  
株式会社三竹産業
株式会社chi.wata
有限会社中澤
合同会社エイチ
株式会社DIECI-LABO
株式会社ハートビート
藤原化工株式会社

【出展タンナー】
中嶋皮革工業所
イサム製革
栃木レザー株式会社
株式会社マルヒラ
株式会社キタヤ
株式会社モリヨシ
VL.ナカシマ株式会社
シンヤ工業株式会社
有限会社大星産業

ベータ有楽町革市ご来場.jpg
初日からレザーファンが立ち寄り、外国からの旅行客にも注目されました。

ベータ有楽町革市プレゼント.jpgのサムネイル画像
特製アイテムのプレゼントもありますのでお早めに。会期は8月29日(火)まで



【レポート】「TLGFC」

東日本バッグ工業組合 組合員有志による「TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが池袋駅構内 南改札外イベントスペース(東武百貨店 B1F 6番地入り口前)で開催中! 


池23078きくひろ様.jpg
パリ・コレクション(23-24 秋冬)でビッグメゾンが製品にリザード(トカゲ革)を採用した影響で、高感度ユーザーにリザードが注目されています。同イベントでは、リザードのミニバッグ(ペトラルカ 現在は完売/写真下)がコンスタントに売れ、ヒットの兆し。さらなる広がりに期待したいですね。
きくひろ様リザード ミニバッグ.jpg

8月4日は「一粒万倍日」「天赦日」が重なる幸運日。財布をお探しの方が多く見受けられました。
池23078ミヤ様ヒキ.jpg
風水のラッキーカラーや上質レザーを用いた製品が好評でした。

池23078ミヤ様財布.jpg
人気占い師が提唱するラッキーカラー「パステルカラー」がロングヒット。

池23078三和様ブース.jpgのサムネイル画像
‪池23078三和様財布イエロー.jpg
定番ともいえるラッキーカラー「イエロー」や上質レザー「コードバン」もラインナップ。
池23078三和様財布ヒキ.jpg
実際に使用したサンプルも展示し、経年変化のイメージが想像しやすいですね。
池23078三和様エイジングサンプル コードバン.jpg
会期は本日8月3日(水)まで。次回は8月21日(月)からの予定。新しいブランドが登場するそうです。参加社のひとつ、三和袋物の公式エックス(ツイッター)アカウントで日程が発表されますので、どうぞお楽しみに。



【イベント情報】「姫路 革の市」

毎月第一日曜日に行われる恒例イベント、「姫路 革の市」が8月6日(日)に開催されます。

国内有数の皮革産地・姫路のなかでもタンナー(皮革製造工場)が多く集積する高木地区を拠点とした直売市。「姫路で生み出された高品質な皮革を知っていただき、日本のものづくり文化の発展に寄与したい」との想いが込められ、地場産業である皮革を用いた革製品(鞄/靴/小物)を出品。天然皮革素材、副資材が豊富にそろい、DIY派ユーザーに人気を集めています。



【メディア情報】「桂宮治の街ノミネート」

落語家・桂宮治さんが、地元の人々が紹介する地元ならではの行きつけの場所を巡り、地元を愛する人々とのふれあいを楽しむ新番組「桂宮治の街ノミネート」(BSフジ/毎週木曜 22:00~)最新回(7月27日放送分)は、北千住・後編のリピート放送。

ランドセルの名門メーカーとして知られる大峡製鞄が登場。ファクトリーの内部も公開されています。見逃し配信は明日8月3日(木)まで。



同じく、北千住の人気ショップ「minca」では、革製ジェンガとオセロが店頭でお出迎え。無料で楽しめます。
minca様ジェンガオセロ.jpg
経営母体はブランドレザーとして知られる「栃木レザー」の代理店であり、革の目利きとしてお馴染み。職人集団の遊び心がうれしいですね。革の魅力を発見する体験としてだけでなく、フォトジェニック、ムービージェニック!



【技術認定情報】JAPAN LEATHER GOODS MEISTER

一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)は、7月12日付けで長谷川博司さん(株式会社革包司博庵) をJAPAN LEATHER GOODS MEISTER(小物部門)として認定しました。第6回 日本皮革製品マイスター認定証授与式が9月5日(火)に行われます。

日本皮革製品マイスター制度は、日本の優れた皮革製品の技術者を顕彰・広報し、広く世界の消費者等に周知を図ること等により、技術の維持向上と伝承、後進の育成及び皮革産業の発展を図ることを目的として、会員団体とともに検討を進め、平成29(2017)年度から運用を開始。現在、「鞄」、「ハンドバッグ」、「小物」及び「手袋」の部門でマイスターを認定しています。



【メディア情報】「JLIAtv」

一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA) 公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で、2023卒展シリーズ第四弾となる動画が公開。
レザボイ2023 ヘッダー.png


2023卒展シリーズ第四弾は、日本でいちばん歴史がある、靴づくり学校といわれるエスペランサ靴学院。
エスペ卒展会場エントランス.jpg
2022年4月から技術を学び、2023年3月末に卒業した48期生の一年の学びの集大成を発表する卒業展示会が3月17日(金)~19日(日)、大阪・難波 なんばパークス 3Fで行われました。

放送内容を掘り下げた放送後記(画像付き)も必読です。


1

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ