欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2022年10月 の記事

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月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、好評のシリーズ <革とSDGsと>。「ジャパンレザーアワード」応募作品展で展示されていた作品に使用している鯨革と、ジビエの革利用について、村木さん独自の視点で語ります。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

人気イベント「本日は革日和♪」の今後のスケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。

  「本日は革日和♪」

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毎度です!「コロナ前くらい忙しかったよ、ほんとにこの秋シーズンは・・・」ムラキです。

前回9月の更新分でも書いたようにほんとにもうげっそりするほど忙しい時期でした。親族で不幸もあったりしたのですが、狙ったかのようにイベントとイベントの合間で助かりました。

今回のblogでは、

・「ジャパンレザーアワード」で見た鯨の革
・「浅草エーラウンド」で上映した「ある精肉店のはなし」という映画とジビエと革セミナー

という話をしていきます。
結論は、「牧畜と屠畜というシステムがないと革利用は難しい」ということです。



今年も無事開催された「ジャパンレザーアワード」応募作品展

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今年度の「ジャパンレザーアワード」応募作品展は渋谷ストリーム ホールという場所で開催されました。例年とは違う場所ですね。その理由を担当者さんに聞くと、「数年間二子玉川で行ったので、若い人が多い場所でやってみよう、ということで変更しました」とのこと。9月24日~25日に応募作品展を開催。審査会は初日10:00〜16:00まで審査員のみが審査を行い、同じく初日16:00~17:00と、最終日10:00~17:00に一般公開されました。



今年も全応募作243点が会場に並び、全部がWebで公開されています。当日見れなかった、という人はぜひ、同アワード公式ウェブサイトを見てください!! 昨年からは全応募作品が360°カメラで撮影されていて面白いんですよ。



民族楽器の演奏会が素晴らしい

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今回の応募作品展では皮革を使った民族楽器を展示し、実際に演奏してもらう、というイベントも開催されました。

これが面白かったです。個人的な興味と趣味で民俗学もかじってはいたのですが、世界の民族楽器で皮革の利用は打楽器主体かと思っていました。

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言われてみりゃ三味線だって皮革を使っているわけですから弦楽器もあります。ここらをきちんと解説されていたり、演奏者さんも自分の使っている楽器でどのように皮革が使われているかを解説してくれるので非常に勉強になりました。ぜひ来年もやってもらいたいものです。

会場で見た鯨の革

同アワードを4年連続で部門賞・各賞を受賞してきた中山智介さんが、鯨の革でつくった財布をエントリーしていたので楽しみにしていました。今年の頭に報道で見かけて気になっていたんですよ。鯨革は触ったことがなかったので。



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鯨の革がどう貴重で、なぜ手に入りづらいのか。どういう特徴があるのか、などは上記ページで見てみてください。TBSテレビ系のニュースサイトでは動画も公開してくれているのでわかりやすいですよ。



手に入りづらい原因としては捕鯨および鯨を食べることに対する世界的な反発があります。また、日本は鯨を食べるときには皮ごと食べちゃう、というのも手に入りづらい原因の一つでもあります。ここらは過去に水産皮革について調べた時に書いています。

実際に触ってみると

皮としては特殊です。哺乳類でありながら、水の中で暮らしている生き物ですので、皮の構造としては先月紹介した魚に近いのか。また、下の写真の皮の部位は生殖器部分ですので、こちらは通常時は体の中に収納されているはずです。

先月紹介した鮭やブリ、鯛の革とどう違うのだろう、とワクワクしました。

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触った感想としては、「巨大な生き物だけあって表面のシボ部分が象に近い。でも毛根がないのですべすべ、というのが面白いな」というものでした。

現状では通常の革の100倍以上の値段がつけられてもおかしくありません。「調査捕鯨から出たものなのになぜそんなにお金がかかるのか?」「希少性だから高いのか?」などを次に説明していきます。

「ある精肉店のはなし」というお肉屋さんの映画を公開した


「浅草エーラウンド」に「本日は革日和♪」で出展し、3年ぶりに映画の上映会をしました。


この映画は大阪のお肉屋さんを取材したドキュメンタリー作品です。現在もこのお肉屋さんは存在しますが、ここが「最後のお肉屋」と言われていたのは、「自分たちで子牛を買ってきて、大きく育て(=肥育)、自分たちで屠畜してお肉として売る」ということをしてるお店だからです。

ですので、映画では冒頭と最後に牛の屠畜シーンが流れます。

上映会では最初に革とお肉の話をします

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この映画は、DVD販売やレンタルがされておらず、有志の人間が上映会を行うことでしか見ることができません。私は東京でイベントやる時に上映会を申請して、ブルーレイディスクをお借りして上映会をしています。


上映会の最初、冒頭15分ほどで革と肉にかかわる話をします。要約するならば、普段からお伝えしている「革業界は肉業界の副産物=余り物で成り立っている業界」というお話です。

お肉をいただいた残り物である「皮」から「革」に変化させて使っているのが革業界なわけです。革の前に肉があり、その前には肉屋さんがあり、屠畜してくれる人、育てる人がいる、というのを知ってもらうのにこの映画は非常に勉強になります。

今後も上映会は行われると思いますので、興味ある方はホームページなどをご参考になさってください。


会場をお借りした富田興業様には大変お世話になりました。ありがとうございます。


ジビエの革活用セミナーを行った
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「浅草エーラウンド」は、「浅草の奥である奥浅草の周りには革の業者さんや靴会社さんが多い。ここを色々と回ってみよう!」とういイベントです。思えばずいぶん長い間、浅草に住んでいるわけじゃないのに出展しているなぁ、私。

今回はじめてジビエの革活用をセミナーとして行いました。


***

害獣駆除としての鹿やイノシシ駆除などの話が一般になってきました。
ジビエなどもずいぶんと一般的な言葉になってきましたが、実際には利益が出ている、というほどでもありません。

令和3年度には1億ちょい、令和4年度には2億ちょいの予算がシカ等による森林被害緊急対策事業として林野庁から発表されました。ですが抜本的な対策としては害獣としての駆除以外にもどう経済に入れ込むか、というのも課題の一つとなっています。

その流れで「ジビエで利益出づらいから、皮を革にして利益を出そう!」という発想で革をなめす工場=タンナーに話が持ちこまれますが、うまく行きづらいのが現状です。

このセミナーでは1時間ちょい、という短い時間ですが下記に関して資料や動画や実物の革を交えて解説します。

・素材と製品は違う
・革をなめすタンナー業、というのはどういうものか?どこにあるか?設備も場所も人手もかかる
・屠畜場の重要性
・革は所詮は食肉産業の副産物
・事例説明~鹿、魚、カエル、エイ、ハブなど

対象

鹿やイノシシに限らず害獣駆除に興味ある方や携わっている方
肉を食べるのが好きな方
漫画や小説なりを書いている方

開催時間・費用

10/16(日)12時~13時00分

¥1000

***

毎年姫路で行われる皮革大学で地方行政の方やハンターさんが来られる

毎年、兵庫県の支援事業で行われる皮革大学というものがありまして。
座学で2時間×全5回くらいで学ぶ革の歴史や鞣し方があったり、製造実習として、5日間姫路に通って実際に皮を鞣したりします。今年も知り合いが行っていました。


毎年、この座学や製造実習に地方行政の若い方やハンターさんが来られます。
ほとんどの方が、「害獣駆除で鹿やイノシシが捕れる」「肉はともかく、他でも利益出したい」「革で利益出したい」「あわよくば自分たちの地域で鞣しまでやって雇用促進したい」という皮算用で勉強に来られます。

見ている限り99%の方が、「これは自分たちだけでやるのは到底無理だ~」と座学3回目あたりから絶望されています。

そりゃそうです。鞣し技術なんて昔々ならば錬金術か、戦争時に戦局を左右しかねないレベルの専門技術ですもの。鞣し技術ってほんとに魔法みたいですよ。日本でも戦国時代中は鞣しのできる職人は国外に出さなかったってのもわかります。


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ほっておくとこんなに固くなったり腐るものを、柔らかい状態で保持するのはほんとに錬金術同然です。

前述の民族楽器ですが、基本的には鞣しをしていない「皮」を使っています。ですので、吹奏楽部やタイコを叩いたことがある方はご存知かもしれませんが、タイコには雨が大敵です。雨に濡れると太鼓の皮はビヨンと伸びてしまうからです。

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「皮」を「革」にするのは専門知識と設備が必要となります。


なぜこのようなセミナーを行ったか?

「人に話したくなる革の話~害獣駆除と肥育と鞣しの話」をやった理由は、「魔法みたいな技術を習得する時間と設備費用、環境整える費用考えたらタンナーにまかせたほうが良いよ」ということを知ってもらうため。

もう一つは、「野山駆け巡った動物の皮はそれほど良くない。」「牧場(=肥育)で育てていない動物の皮を有効活用するのは難しい」ということを知ってもらうためです。


皮を有効活用するには経済の循環の中に入れることがとても重要

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「じゃぁ、タンナーに頼めば良い革=金に変えられるのか?」と言われると、「原皮がとても大事」という回答となります。原皮をきれいに得るためには、牧場と屠畜場というシステムがとても大事になります。

牧場で育てる=肥育された動物は怪我や病気も少なく、肉を取るために餌を与えられているため、皮も均質になっています。

野山を駆け巡ったイノシシや鹿などは上記と真逆。怪我や病気も多く、山の栄養状態によって肉付きも変わるし、皮の状態も変わります。さらにはハンターAさん、Bさん、Cさんでは屠畜のやり方も異なります。Aさんは「肉を沢山とるぞ!」と皮に穴があいても気にせず屠畜する。Bさんは「適当にやるぞ」とやっているため、皮も分厚く取れていたりする。Cさんは「仕留めてから血抜きして川に放置して、翌日皮を得ている」などそれぞれ状態が異なります。

このA、B、C、どの状態にあわせて鞣しをするかによって出来上がりが異なります。Bが一番キレイになるように鞣すと、A、Cの革はそれほど良くなりません。

牧場、そして屠畜場、という専門職種が加わらないことには原皮は有効活用できません。そして、牧場や屠畜場を動かすためにはそれだけ利益が継続的に生み出される=経済活動がきちんと行われるようにしなければ安定的になりません。

「野生害獣の駆除等により生じた皮革の利活用に関する実態調査報告書」がすごい!



上記リンク先の調査報告書はここまで読んでくださった方なら、きっと面白いはずです。

・国内のタンナーで鞣したら「革」として売るにはどれくらい高くなるか
・じゃぁ海外ではジビエの革活用は行われているか
・害獣駆除した動物をそのまま放置するとどれだけ有害になるか
・害獣駆除で革を作ったとしても1DSあたり300円くらいになる

などが詳細に報告されています。

「自分たちで鞣しできないかなぁ」「数千万円で鞣し工場作れないかな」、と思っている方はぜひ読んでみてください。この資料が無料で読めるんだからすごい時代です。

セミナーでは


上記の報告書の内容を基に、

・肥育や牧畜の重要性
・ワニやカエル、蛇などの革はどう作られ、活用されているか
・タンナーをやるとしたらどれだけの設備と技術、人手がいるか
・小規模でやる方法

などを解説していきました。

結論は、「牧畜というシステムがないと革利用は難しい」ということです。

ムラキの今後予定


11/19 2022たつの市皮革まつり&タンナー見学バスツアー 2022年11月19日(兵庫県) - こくちーずプロ...3年ぶりかな。姫路駅集合・解散の見学ツアーを行います。

11/24-26 神戸素材博覧会


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

東京都で全国旅行支援が20日からスタートします。水際対策の大幅緩和と円安の影響で、海外からの旅行者がかなり増えていますね。全国的に気温低下がみられるなか、秋の実売期、盛り上がることを期待したいところです。皮革業界では恒例イベントのほか、合同展示会も開催中。その様子を一部お届けいたします。

今回はさらにメディアやセミナーの情報、人気イベントのお知らせも加え、まとめました。参考にしていただけますように。


【展示会情報】「ジャパンファッションEXPO」
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10月18日(火)から東京ビッグサイトでスタートした「ジャパンファッションEXPO」にジャパンレザーブースが出展されています。
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「ジャパンファッションEXPO」は「ファッションワールド東京2022秋」構成展のひとつ。皮革部門のスペースにタンナー6社それぞれの自信作の皮革サンプルを展示。その革を使ってメーカー3社とのコラボレーションにより、バッグ、革小物が発表されました。
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有力タンナーと腕利きメーカーとのマッチングで、ものづくりをブラッシュアップ。ワンランク上の上質感があり、目をひきます。
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「日本革市」公式サイトでは、タンナーとメーカー、互いに尊敬の念を抱き自身の技を磨き続ける両者の連携によって生まれた、温もりあふれるレザーアイテムとそのストーリーを公開。併せてご覧ください。


【展示会情報】「国際サステナブルファッションEXPO」
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同じく「ファッションワールド東京2022秋」構成展のひとつ「国際サステナブルファッションEXPO」が開催中。会場内でジャパンレザーショールームが出展されました。
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「Asakusa Leather」「LEZZA BOTANICA®」「丸喜」「7iro leather lab」など皮革素材のほか、靴、鞄、バッグ、革小物を含め計16社が参加。
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レザーケアのプレゼンテーションも好評です。
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サステナブルな皮革産業の未来につなげる、さまざまな取り組み、新作の発表にご注目を。会期は10月20日(木)まで。くわしくは下記リンク先をご参照ください。同ブースの製品展示につきましては、当ブログ11月第1週の更新時に追加でご紹介いたします。どうぞお楽しみに。


【オンエア情報】「ジャパンレザーVOICE」
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「ジャパンレザーVOICE」第5回は、本日16時よりアズーリFM公式サイトよりライブ配信(生放送)を行います。今回は以下の3つのコーナーでレザーと革のものづくりの魅力をお伝えします。ぜひご覧ください。
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■注目コンテンツDIG
「JAPAN LEATHER JOURNAL」オンラインツアー
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■「ジャパンレザー 旬暦」製品紹介
11月23日<手袋の日> 日本一の手袋産地・東かがわのものづくり

■ジャパンレザー「最新トピック紹介」
皮革産地・姫路&たつの 恒例イベント 開催決定!

同じくフェイスブックライブ配信では、番組のオープニングコーナー終了後、第一特集「注目コンテンツDIG」配信中の20分ほど休止となり、第二特集「ジャパンレザー 旬暦」から再開されます。ご注意ください。


【メディア情報】「JLIAtv」

当連合会公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で、「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」の新着動画が公開されました。

【2023春夏 最新トレンド(レザー&カラー)(後半)】皮革業界キーパーソンインタビュー:株式会社ジャルフィック 代表取締役社長 池田正晴氏 #レザボイ が前半に続き公開スタート。「東京レザーフェア」で発表されたレザートレンドを解説してくださったスペシャル動画です。ぜひ、ご視聴ください。


【コンペ情報】「ジャパンレザーアワード2022」
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国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2022」、各部門の「ベストプロダクト賞」と「フューチャーデザイン賞」、学生部門「最優秀賞」、「審査員長特別賞」が同アワード公式サイトで発表されましたが、いよいよ「グランプリ」作品が11月03日「いいレザーの日」に発表されます。このなかのどの作品が栄冠に輝くでしょうか? どうぞお楽しみに!


【セミナー情報】第5回皮革関連セミナー

都立皮革技術センター 台東支所におきまして、令和4年度第5回皮革関連セミナー が11月10日(木)に開催されます。現在、受講希望者を募集中です。

今回は「婦人靴の安全性」をテーマに東京都立皮革技術センター 台東支所 課長代理(技術指導ご担当) 黒田良彦さんが登壇。婦人靴パーツとヒール取付強さとの関係について解析して、改めてヒール取付強さ試験について解説します。参加費は無料です。応募要項などくわしくは下記リンク先をご覧ください。


【イベント情報】「本日は革日和♪」
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当ブログの連載でお馴染みの村木るいさん主宰の人気イベント「本日は革日和♪」が、10月21日(金)から2日間、ホームグラウンドの大阪・奥なんばエリアで行われます。

今回は4社の皮革関連企業が参加。染色体験、テストシューズセミナー、野球グローブ会社徒歩ツアーなどなど盛りだくさん。くわしくは下記リンク先をご覧ください。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

10月11日(火)より水際対策の大幅緩和、政府の旅行需要喚起策「全国旅行支援」<東京都は20日(木)から>、「イベント割」などの施策がスタート。経済再建へ向け、動き出しています。皮革業界では次のシーズンに向けた展示会や恒例イベントの開催予定が続々。
今回はそんな展示会、イベントなどでまとめました。参考にしていただけますように。


【コンペ情報】「ジャパンレザーアワード2022」受賞作品発表
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日本皮革産業連合会(JLIA)が主催する国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2022」の審査会が、9月24日(土)、東京・渋谷ストリーム ホールにて開催されました。
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審査員長の東京藝術大学美術学部 長濱雅彦教授をはじめとする審査員6名の審査と協議により、各部門の「ベストプロダクト賞」と「フューチャーデザイン賞」8作品、学生部門の「最優秀賞」1作品、持続可能なデザインを評価する「審査員長特別賞」1作品、そして、各賞10作品の中からより一層の展開が期待できる意欲的な作品「グランプリ」1作品が決定。同アワード公式ウェブサイトにて公開されました。受賞者および関係者の皆さま、おめでとうございます。

今回は、例年よりもポップなテイストの作品が多く寄せられました。コロナ禍と長引く円安にともなう値上げラッシュ・・・とネガティブな世相に立ち向かうかのような、力強くハッピーな作品たち。受賞作品にも含まれていますが、ベアがこんなに多い年はなかったように記憶しています。さらにはアニマルモチーフの小物や平和のメッセージを込めた作品も。素敵な作品に癒されました。どれも甲乙つけがたい作品ばかりで素晴らしかったです。ご応募くださり、ほんとうにありがとうございました。

今回、受賞を逃した皆さま、審査とマッチングせず残念でしたが、ご応募をしていただかないと受賞もありません。心折れることなく、どうぞ次年度もトライしてください。

なお、グランプリについては、11月03日「いいレザーの日」に発表されます。こちらもどうぞお楽しみに。


【展示会情報】「ジャパンファッションEXPO」

「ファッションワールド東京2022秋」構成展のひとつ、「ジャパンファッションEXPO」が10月18日(火)~20日(木)、東京ビッグサイトで開催。同展にはジャパンレザーブースが出展されます。

皮革部門のスペースにタンナー6社が持ち寄った世界に誇るべき各種ジャパンレザーを展示。同時に、これらの革を使ってメーカー3社が制作した魅力的なアイテムも出展。

タンナーとメーカー、互いに尊敬の念を抱き自身の技を磨き続ける両者の連携によって生まれた、温もりあふれるレザーアイテムとそのストーリーにご注目を。


【展示会情報】「国際サステナブルファッションEXPO」

「ファッションワールド東京2022秋」構成展のひとつ、「国際サステナブルファッションEXPO」が10月18日(火)~20日(木)、東京ビッグサイトで開催。会場内でジャパンレザーショールームが出展されます。

国際サステナブルファッションEXPOは日本最大のサステナブルファッション専門展。エコ、リサイクル、アニマルフリー、エシカル、オーガニック、フェアトレードなど、サステナビリティを考慮したファッション製品・素材が世界中から出展します。

素材5社・靴4社・鞄/バッグ3社・革小物4社の合計16社が参加。サステナブルな皮革産業の未来につなげる、さまざまな取り組み、新作が発表されます。参加企業については下記リンク先をご参照ください。


【イベント情報】「浅草エーラウンド」
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東京都台東区の浅草・奥浅草エリアを対象とする地域イベント、「浅草エーラウンド2022秋」がいよいよ10月14日(金)~16日(日)の3日間開催されます。
  
観光地・浅草の奥にある、革靴の生産出荷額日本一を誇る「革のまち」である「奥浅草エリア」を中心に、普段は非公開の革靴づくりの現場などを巡り、モノづくりの街の魅力を体感することができるイベントです。

今回は「旅」がコンセプト。旅をするようにじっくりと楽しんで奥浅草の魅力を味わっていただけるコンテンツがそろいます。

コンセプトの背景として、「新型コロナウイルスの流行を機に、旅行を控えてきた人も多いのではないでしょうか。遠くまで旅行に行かなくても、旅に出る時のワクワク感や予想外のものに出会える楽しさは味わえるはず。革とものづくりの文化が息づくこの街の魅力を、探索しながら味わってほしい」(エーラウンド実行委員会)との想いが込められています。

感染拡大防止の観点から安心できるよう、今年はメイン会場や集客型イベントを設けない回遊性促進型のイベントとして実施。多面的な体験を通して奥浅草の魅力に触れるくことで、観光で訪れる人はもちろんのこと、近隣に居住する生活者にも新しい発見や出会いが提示されます。

当ブログでお馴染みの村木るいさん率いる「本日は革日和♪」も出展。「ある精肉店のはなし上映会~隣合わせのお肉と革」「人に話したくなる革セミナー 革の買い方や歴史編」「人に話したくなる革の話~害獣駆除と肥育と鞣しの話」ほか、内容盛りだくさんですよ。


【展示会情報】「JCC 古今」
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古き良き伝統技術を今に受け継ぎ昇華させ、日本国内で秀逸なものづくりを手がけているクリエーター集団「ジャパンクリエイターズコレクション」が合同展示会「JCC 古今 ~Relation~ つなぐ」を10月18日(火)~20日(木)、東京・浅草JCC東京本店(東京都台東区花川戸2-3-4)で行います。

企業の枠を超え、1社ではなかなか実現できなかった職人とユーザーが触れ合える場の創設、各ブランドの認知向上などのために設立。商品のクオリティや独創性を追求し、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指しています。

東京をはじめ、新潟、香川からも参加。特に香川は手袋産地として知られ、繊細かつ精密なものづくりで培った技術で新しいクリエイティブを展開しています。くわしくは下記リンク先をご覧ください。
 

【メディア情報】「JLIAtv」
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日本皮革産業連合会(JLIA)の公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」新着動画、【2022年秋 最新】ギフトシーズンに大人世代に贈りたい革製品 [ジャパンレザーVOICE:TIME&EFFORT]が公開されました。
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クリスマス、バレンタインなど大人に贈るレザーギフトを、前述の人気ショップ「ジャパンクリエイターズコレクションズ(JCC)」から厳選しました。ぜひ、ご視聴ください。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

10月に入っても暑い日が続いていましたが、本日から各地で気温が下がり、一気に秋の空気になるそうです。中国の連休、国慶節は10月7日まで。東京・北千住で中華系ツアー客に遭遇して、とても驚きました。旅慣れた人が増え、新しい体験を求めているようです。インバウンド消費に期待したいですね。今回はユーザー参加型イベントとメディア情報でまとめました。参考にしていただけますように。


【イベント情報】「ジャパンレザーアワード2022」応募作品展
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9月24日(土)・25日(日)の2日間、東京・渋谷ストリーム ホール 4Fにて、国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2022」応募作品展が行われました。
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今年度ご応募いただいた全応募作品243点を一般公開。審査会では厳正な審査が行われ、10月11日(火)に受賞作品が発表されます。なお、グランプリについては、11月03日「いいレザーの日」に発表されます。どうぞ、お楽しみに。

今回、同会場の5Fでは、歴代の受賞者をはじめとしたブランドやショップが参加する展示販売会が行われました。
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革をさわって体験できる展示やワークショップなどもあり、盛況でした。
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また、6Fでは「Leather World Music Concert」を開催。皮革を使った世界中の楽器が登場する音楽イベントは初の試み。
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見たこともない楽器が展示され、来場者の皆様は興味津々。
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トークショーでは楽器の説明と演奏もしてくださいました。バグパイプは、バッグ&パイプなんですね。初めて知りました。
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この音楽イベントによりレザーの世界が広がった気がしました。来年度の応募作品には楽器があるかもしれませんね! 次週、受賞作品および、応募作品の傾向をお知らせできればと思います。


【イベント情報】「LEATHER WORLD 2022」
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人気イベント「LEATHER WORLD」、今年度の第二弾が9月23日(金・祝)~25日(日)、渋谷スクランブルスクエア3F・7Fで開催されました。
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革がもつ「色合い」「種類」「大きさ」「質感」を体験し、革の魅力を多面的に触れることを目的として2016年から行われている「LEATHER WORLD」。今回は厳選ジャパンレザー製品の展示&ショールーミング体験のほか、ワークショップ、レザーケアなども行われました。
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「タイムアンドエフォート」公式ウェブサイトでレポートが公開される予定ですので、改めてお知らせします。第一弾のレポートは下記リンク先をご参照ください。


【イベント情報】「革恋マルシェ」

皮革産地・姫路の人気イベント「革恋マルシェ」が10月7日(金)~8日(土)、兵庫・姫路駅北にぎわい効率広場中央地下通路で開催。姫路、たつのの革素材や革小物が出品されるそうです。
人気ショップ「Leather cafe」ブースでは革素材、革小物はもちろん、ワークショップもあるそうです。どうぞお見逃しなく。


【メディア情報】「LEON」
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「LEON」11月号(200ページ~)LEON別注アイテム「モテるオヤジはシン・エキゾチック!」で、エキゾチックレザー製品が紹介されました。
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「エキゾチックレザーマーケットジャパン」では掲載アイテムが公開スタート。ぜひ、ご覧ください。


【メディア情報】「西成製靴塾」

地場産業である靴業界の職人育成を行う「西成製靴塾」が、このたび、大阪・西成区の府立西成高校靴づくり部の発足に協力。クラブ活動「Nishinari Shoe Club(NSC)」としてのスタートが「朝日新聞」(10月4日)で紹介されました。

エスペランサ靴学院 学院長 兼 西成製靴塾長 大山一哲さんが創部に尽力。「古くから皮革産業の盛んな地域性を生かし、生徒にものづくりの楽しさを知ってほしい」との想いが込められています。くわしくはこちらをご覧ください。

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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