欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2024年2月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
2024年第二弾は、大阪府皮革業界総合研修で、今年度も「革とものづくり」という対談を行った、という話。

恒例企画、大阪府皮革業界総合研修に村木さん自身も「革とものづくり」というテーマで登壇。村木さんのセミナーの内容についてポイント解説と、そのほかの回を受講者としてレポート。独自の視点でまとめています。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!「段取り8割!対談もイベントも事前準備が大事!」ムラキです。

今年度も大阪府皮革業界総合研修を見てきました。そして、登壇してきました。登壇、というか、狂言回し役ですね。

今回の話は、

・大阪府皮革業界総合研修、今年も面白かった
・こういう話をしてきた
 「革業界の専門職種 メーカーという役割」
 「人の育て方」
・対談形式、って見た目以上に準備が大変

というような話です。

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大阪府皮革業界総合研修とは

この研修は、皮革関連産業の振興のため、関連企業の経営者並びに従業員の方々に、最新の業界の動向やトレンド、あるいは実践的な経営の知識等を身につけていただけるよう、各界の著名な講師を招いて時流にあったテーマで実施されています。

大阪府と近畿経済局が毎年開催してくれる研修事業です。私が見に行くようになって10年以上になるのか・・・ほんとにありがたいな。

セミナーの内容紹介は下記でまとめています。


今回は2つ聞きに行ってきた&喋ってきた

 12月13日(水) 皮革・革製品のサステナビリティ 

 1月16日(火) 天然皮革~知っておきたい基礎知識~ 

 1月23日(火) これだけは知っておきたい革の特性 クレーム事例から学ぶ 

 2月6日(火) [講義/工場見学] 皮革のできるまで 

 2月9日(金) 「かわ」とサステナビリティ

 2月13日(火) 革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方 

このうち、「皮革・革製品のサステナビリティ」と「『かわ』とサステナビリティ」の2つを聞きに行きました。ほかの回も聞きに行きたかったのですが、満席で聞けませんでした。

上記セミナーの最後にある「革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方」を元メーカー勤務者・現フェニックス部長の横井さんと一緒に喋ってきました。

「かわ」とサステナビリティ、というセミナー、すごかった


2月9日に行われた『「かわ」とサステナビリティ』の登壇者は、国内の靴ジャーナリストの第一人者、大谷知子さんでした。

こちらの方は靴ジャーナリスト、というだけあって、例年、海外の靴の展示会「ミカム」のレポートや靴業界の動向分析などをなさっていますが、今年度は「サステナビリティ」という内容で話すとのこと。従来とは違った切り口ですので驚きました。

「今までとは違う切り口でを話す」ということは、違う勉強をきちんとしなきゃいけない、ということです。勉強をしてきちんとアウトプットしている、ってのは敬意を払いますわ。

内容も

・かわはどこからやってくるのか
・屠畜とは
・皮から革を作る歴史はいつから始まったか
・食肉に伴い生まれる「革」以外の主要製品
 ゼラチン、写真フィルム

などの話から

・タンナーが取り組む環境負荷の低減とサーキュラーエコノミー
・サステナビリティに対する革の意味

などと話も深くなっていき、聞いていて「最初は広く浅く」話が展開し、その後に「深く狭く」となっており、興味を持ちやすい構成になっていました。

セミナー『「かわ」とサステナビリティ』は、JLIA「TLA」と連動



私がもうひとつ受講した「皮革・革製品のサステナビリティ」は、TLA座長である川北芳弘さんによるセミナーでした。日本皮革産業連合会にせよ、日本タンナーズ協会にせよ、私にせよ、今、この「革は食肉産業の副産物ですよ」というような主張や講演などを増やしています。

川北さんのセミナーもTLAの座長だけあって面白いのですが、大谷さんの講演は「靴ジャーナリスト」という切り口から違う側面で「革のサステナビリティ」が語られていました。このようにいろいろな切り口や側面があることで、多種多様な入り口から革への知識を深めてもらえるのは面白いな、と思います。

圧倒的な専門家が一人だけ喋る、のではなく、多様な専門家が多様な切り口から革という素材を解説してもらう、という「情報提供が多様な切り口である」というのは現在の革業界の強みではあると思います。

革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方 という話


それに対して私が段取り、組んだセミナー「革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方」は、さっぱりサステナビリティなどと関係はありません。今回のセミナーで私がその話をしても、違う登壇者が語るならばそちらに任せます。私が大阪府から望まれているのは「他の方と違うことを毎年提供してください」というものですので、今回も違う側面から話をします。

なんと高校生が聞きに来てくれた

いろいろあって、ちょうどセミナーの前に「将来つくり手として生きたい!」という高校生に出会いまして。ちょうどいいからこのセミナー聞きにきな、と言ったところ本当に来てくれました。最近の高校生は行動力あるなぁ、と感心しました。

セミナー内容紹介

革製品づくりにおいて外注、というのは色々な面で存在します。
外注の職人や、内職さん、専門職の方々・・・昨今ではランサーズやココナラ、などのweb外注も存在しています。

・これらをお願いする上での注意点やトラブル事例。
・実際に外注ではなく内製した場合の困った点。
・さらにはSNSを外注は可能かどうか。注意点は?
・外注を依頼する人と、外注をしたい人との意識の落差とはどういうものがあるか

などを横井さんがレクチャーしてくれました。

セミナー内容抜粋

●革の外注の種類
●革の外注先はなぜ見つからないか?
●外注に頼んだら安くなるのか?
●外注はどう見つけるか?
●外注への頼み方
●外注の育て方
●SNSを自社で行う、デザイナーを自社で抱える
●仕事を頼むときの心構え
●こういうクライアントは嫌だ!
●外注の問題点
●今の時代は職人なり外注との付き合い方はどういうものか?外注との付き合い方
●外注に依頼するメリット・デメリットは?
●外注を探す、ではなく、育てることは可能か?育て方

セミナーちょっとだけ紹介:メーカーという仕事は各種加工業者を走り回るのが仕事

会場ではレジュメと一緒に、このセミナー用にまとめた限定ブログも作成しています。
そこに載せているのは当ブログへのリンクです。過去に載せたメーカーの話や各種加工会社の紹介をリンクで載せています。

現状、日本の靴なりカバンなりのメーカー仕事や加工業者の仕事を知りたいならば、動画やネットの文章、過去の文献あわせて、当ブログで過去に私が書いたブログが一番くわしいです。下記がセミナー受講生に紹介した内容です。

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メーカーは、クライアントから依頼を受けて「金具」や「革材料」などを仕入れるリスクを負って、各種加工を行って「請負職人」に縫製を依頼する。

セミナーちょっとだけ紹介:社内での人の育て方・外注の育て方

内製なり外注なりでの人の育て方は難しいです。外注は、ぶっちゃけ相性が悪い・こちらの要求するレベルに達していないならば切ればいいだけです。ある意味とても楽です。ですが、縫製にせよデザインにせよ内製する場合は、雇うコスト・首を切るコストがこの日本でもとんでもなく高いため、教育がとてもむずかしい。この前提に基づいて下記の話をしました。

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もしあなたが内製でも外注でも、人に物を頼みたいならば・・・

内製するならば「育てる」覚悟がいる

・山本五十六の言葉

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」

「やっている、姿を感謝で、見守って、信頼せねば、人は実らず」

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外注するならば

・定期的にきちんと仕事を発注する

・まめなコミュニケーション

・逃げられないように

終了後高校生に感想を聞くと・・・

「ネットやYouTube動画を見ても全く載っていない情報ばかりでした!」と答えてくれました。

ビル・ゲイツでも手に入れられないのが「時間」です。私から見たら、「高校生かぁ・・・あと4、5回くらいはデカい失敗してもリカバリーできるから羨ましいな」と思ってしまいます。彼には失敗を恐れず、いろいろと経験してもらいたいものです。

対談セミナーでも段取り8割


このようなセミナーですが、事前に2時間ほど登壇者と打ち合わせをします。そのうえで、どのエピソードやどの話が今回のセミナーにふさわしいかを取捨選択します。今回は会話内容を単元ごとにまとめて、付箋紙に書いてどの順番で話すか、どのエピソードがいるかいらないか、などを判断します。内容をまとめて、付箋紙に各種話題をまとめて、それを順番に切り貼りしていきます。結構手間かかるんですよ。

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これらをもとに脚本を作ります。
脚本は、「この順番で話を進めます」「このときにこのエピソード話してほしい」「そのために話をふっかけます」というようなもの。

この脚本で全体の8割を規定します。残り2割は当日の会場に来る人の反応や来場者の事前リストをもとに話をしていきます。セミナーしているときは会場内の受講者が興味もっているか、暇そうか、などを逐一確認しつつ、適宜方向を定めていきます。結論などは変わりませんが、聞いた受講者が何を聞きたいのか、などを加減していきます。

アンケートを見せてもらいましたが、今回も受講者さんに喜んでもらえた、とは思います。

ムラキの今後予定


3月22日(金)・23日(土) 「本日は革日和♪ in 愛知県名古屋」


5月24日(金)・25日(土) 「本日は革日和♪ in 東京都浅草」
7月19日(金)・20日(土) 「本日は革日和♪ in 福岡県博多」


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

2月22日は「猫の日」(ニャンニャンニャンの語呂合わせ)。猫ブームに寄り添う革製品が人気を集めています。先日もポップアップイベントで最新傾向をお聞きしてきました。2つ目のトピックでご紹介いたします。
今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【ライブ配信情報】「ジャパンレザーVOICE」

インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信「ジャパンレザーVOICE」(#レザボイ)第20回が、2月21日(水) 16:00からアズーリFM公式サイトよりライブ配信(生放送)されます。


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「ジャパンレザー旬暦」革製品紹介&「キーパーソンインタビュー」
同番組のレギュラーコーナー「ジャパンレザー旬暦」、革製品紹介&「キーパーソンインタビュー」(隔月ごとにオンエア)のセカンドシーズン各回の振り返りを駆け足でお届け。

「ジャパンレザー最新トピック紹介」
人気サイト「ジャパンレザージャーナル」最新コンテンツ、3月12日「サイフの日」キャンペーン、3月15日「靴の記念日」キャンペーン など、ジャパンレザーに関するさまざまなトピックを厳選してご紹介いたします。

ぜひ、ご視聴ください。


【レポート】「TLGFC」
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東日本バッグ工業組合 組合員有志による人気イベント、「TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが本日2月21日(水)まで池袋駅構内 南改札外イベントスペース(東武百貨店 B1F 6番地入り口前)で開催中です。

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2月22日(木)の「猫の日」に合わせた、猫モチーフのチャームがヒット中。
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べっこう調のマーブル柄革財布は、「愛猫のサビ柄と似ている」とお迎えくださったお客さまもいらっしゃったそうで、猫ブームの底堅さを実感しました。<ベルラベル/高梨>

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リザード、パイソンなどのエキゾチックレザー のバッグ<ペトラルカ/きくひろ>が富裕層ユーザーに好評。日経平均株価の上昇が続くなか、自分へのご褒美としてお求めになられているようにお見受けしました。
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海外コレクションから広がりつつあるトレンド「クワイエットラグジュアリー」の流れで、ブランドロゴを大きいサイズで配したデザインではなく、さり気ない上質感を表現できるマテリアルやバッグへの関心が高まっているようです。エキゾチックレザーはもちろん、色合い・風合いに優れたジャパンレザーにもご注目いただけるとうれしいですね。

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また、3月15日の「最強開運日」に向けて、春財布をお探しの方も増えています。使いやすさを追求した財布<駒屋>や、ミニミニ財布<三和袋物>も登場。細分化するニーズに対応しています。
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続いて、2月22日(木)~2月28日(水)、JR船橋駅構内(さざんかさっちゃん像付近 北口から入ってすぐ)で、「TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが行われます。
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写真は昨年開催時に撮影させていたきました。出店メンバーも一部入れ替わります。どうぞお楽しみに。



【レポート】杉野服飾大学
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杉野服飾大学 ファッションプロダクトデザインコース 卒業制作発表会(東京・目黒)が2月8日(木)~10日(土)の三日間開催され、お邪魔してきました。
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作品とともにポスターを制作し、ヴィジュアル面も含めトータル的なプレゼンテーションが素敵で、クオリティーの高い作品ばかりでした!
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今年度は「着るバッグ」や、新しい機能の提案、また、ドイツホックをはじめとした金具使いに凝った作品が数多くありました。
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プレゼンテーションを拝見する機会をいただいたのですが、皆さん優秀で感激しました。それぞれの想定ターゲット層は「モード感のあるクール系カジュアル」が中心で、なかには「ノームコア」をイメージする作品も。アフターコロナを体感するドレスアップ、個性派コーディネートからの揺り戻しで、早くも「ノームコア」を新鮮に感じているようです。前述の「クワイエットラグジュアリー」は、本質的に若い世代が共感しにくく、シンプル&クールなテイストとしてとらえているように感じました。

「クワイエットラグジュアリー」「ノームコア」についてはこちらをご参照ください。



初夏には、別会場で開催予定ですので、改めてレポートさせていただく予定です。ご期待ください。



【イベント】文化服装学院 卒業制作作品発表

文化服装学院 卒業制作作品発表が、2月23日(金・祝)~29日(木)、文化服装学院(東京・代々木/アクセスの最寄りは新宿駅)で行われます。

同校での学びの集大成となる卒業制作。在学中に身につけた技術や知識を、ファッションショー、展示、プレゼンテーションなど、さまざまな形式で発表予定です。
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写真は前年度開催時に撮影させていたきました。

前年度のレポートが「JLIAtv」で公開中! ご視聴ください。
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バッグデザイン科・シューズデザイン科は、和歌山県製革事業協同組合および、東京都/東京製革業産地振興協議会とのコラボレーションを「東京レザーフェア」や「JFW JAPAN CREATION」で発表し、そのデザイン性、クオリティーが高く評価されています。
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【イベント】「草加レザーフェスタ」

皮革産地 埼玉・草加の人気イベント「草加レザーフェスタ」が2月24日(土)・25日(日)、草加文化会館 コミュニティ棟 1Fで開催されます。

メインとなるのは「革でつくろう!小学生以下無料のクラフト体験!!」。革でつくる動物・犬と猫のかたちのコインケース・レザーポケット・レザーキーホルダーなどつくりたいものを選んでつくることができます。レザークラフト体験は500円(小学生以下無料)。材料がなくなり次第終了となりますので、お早めに。

そのほか、地場産業である、皮革づくりについて学べる、革って何だろう?草加レザー展示コーナーもあり、大人も楽しめるイベントです。お見逃しなく。



【新プロジェクト】 和田義治さん

国内最大規模を誇る革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」歴代の部門賞受賞者、和田義治さんからお知らせが届きました。

多彩なクリエイターが参画し人気を集める「ジャパンクリエイターズコレクション(JCC)」(東京・浅草)フラッグシップショップで、ドリンクの提供をはじめるそうです。そのための準備として、広く呼びかけがありますので、ご注目ください。


和田さんは、筋萎性縮側索硬化症(ALS)の診断を受けたことをきっかけに、2022年11月、東海道五十三次を踏破するチャレンジを行い無事完歩。ひたむきな姿が注目され、テレビ番組「news every.」(日本テレビ系 月曜~金曜 15:50~)が密着取材。その内容がYouTubeで公開され、応援の輪が広がっています。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

本日2月14日はバレンタインデー。日本では女性から男性へチョコレートを贈る習慣がありますが、近年は様変わり。高額製品や海外のショコラティエを招いたプロモーション、期間限定販売が行われ、チョコレートを愛好するユーザーに喜ばれています。

一方、皮革業界でも、革好きのかたへ向けて、つくり手たちがイベント出店、参加などでアピールしております。お客さまとより深いコミュニケーションができるよう、当ブログでも告知などしてまいりますので、皆さまご高覧、拡散、お願いいたします。

今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【コラボレーション】TLA

皮革・革製品のサステナビリティを発信するThinking Leather Action(TLA)事業の最新トピックのお知らせです。
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1月24日(水)よりエース株式会社の施設「世界のカバン博物館」(東京・駒形/最寄り駅:都営地下鉄浅草線 浅草駅)7階に、「実は、革ってサステナブル。世界のカバン博物館✕日本皮革産業連合会」、TLA常設展示コーナーが設置されました。

パネル展示をはじめ皮革・革製品を展示し、革がなぜサステナブルな素材なのかを紹介しております。
「世界のカバン博物館」は世界五大陸、50か国以上から収集された希少価値の高いコレクションをはじめ、鞄の歴史や最先端の技術紹介なども展示されておりますので、是非ご来場ください。



【レポート】皮革卸個展

皮革卸企業各社の2024年-25年秋冬コレクション個展が、1月17日(水)~19日(金)に行われました。一部ではありますが、お邪魔してきましたので、ご紹介いたします。

「富田興業」
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「革の解放」をテーマに革というマテリアルの可能性を探求。伝統や規範にとらわれることのない新しい表現にトライしています。
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コーヒーの焙煎時に発生してしまうチャフを利活用したサステナブルなレザーに加え、ライトレザーを発表。軽量感を打ち出しています。二次鞣し工程で独自に開発した植物タンニンの配合技術を駆使し、軽く柔らかい革を実現しました。
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2022年、日本の総人口が減少するなかで、高齢者人口は3,627万人と過去最多。総人口に占める高齢者人口の割合は29.1%に(総務省統計局 統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- より)。

大人世代の存在感が高まるなか、百貨店の顧客の中心、大人世代の女性はバッグや靴に、軽さ(軽量性)を重視するため、そのニーズに寄り添うレザーとなりそうですね。



「丸喜」
テーマは「自然界に存在しつつも神秘的なカラー」。ソフトなタッチ感の傾向に合わせて、多彩なバリエーションで展開。昨年発表し好評のコンポスト(堆肥)にできる、自然に還る革を中心にナチュラルな色合い、風合いのコレクションが見られました。
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同社は、学生やクリエイター支援にも尽力。レザーを使用した作品がショーに出品されるなど、レザーを通して次世代との懸け橋になる取り組みに共感の輪が広がっています。
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コードバンで知られる新喜皮革のコレクションも一部展示。
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「東京レザーフェア」に来場できなかったビジネスパーソンに好評だったようです。



「吉比産業」
「以心伝心」をテーマに、手にとると持ち味が伝わる本物、説明のいらないようなレザーがラインナップ。
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ファッション性の高いセレクトで知られる同社で気になったのは、起毛感のある一枚。
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トレンドの傾向として注目される「フォークロア」「グランジ」などのテイストのアイテムにマッチしそうですね。
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また、新プロジェクトのサステナブルレザー「Zeology Leather」を展示。ゼオライトをベースにし、クロム、アルデヒド、重金属を含まない画期的ななめし剤であるZeologyで鞣され、持続可能で循環型で堆肥化可能な素材です。



【展示会】「NEW ENERGY」

クリエイティブの祭典、合同展示会「NEW ENERGY(ニューエナジー)」2024年2月展が2月15日(木)~18日(日)、東京・西新宿 新宿住友ビル三角広場で行われます。

ファッションやファッション雑貨、ライフスタイル雑貨、エシカル商品、ビューティー、フード、アートなど、多様な分野の注目デザイナーやアーティスト、企業がジャンルを超えて一同に集結。参加クリエイターは約250組以上、来場動員数は1万人を想定しています。

ショッピングはもちろん、ご飲食、ライブパフォーマンス、ワークショップほか、体験型コンテンツも充実。

会期のうち、平日はBtoB、週末はBtoCの二部構成。兵庫県鞄工業組合、一般社団法人豊岡鞄協会をはじめ、革製品ブランドが出展予定です。くわしくは下のリンク先をご覧ください。



【メディア】「がっちりマンデー!!」

人気テレビ番組「がっちりマンデー!!」(TBSテレビ系/毎週日曜7:30~)、2月11日 放送分「しっくり感を追求するビジネスがスゴかった!」で体温でフィットする形状記憶素材、HUMOFIT®(ヒューモフィット/三井化学)が登場。人の体温付近で柔軟に変化し、人を優しく包み込むプラスチックシートです。常温で柔軟性があり、変形させるとその形状を一定時間保持できるそうです。

革製品には、靴のインソールやバッグのショルダーストラップなどに利活用されており、その事例として、国内有数の鞄産地 兵庫県豊岡市から発信する「アートフィアー」のヒット製品、人に合わせる新発想のリュックが登場しました。今後ますます利用が広がりそうですね。

なお、見逃し配信もスタート。「アートフィアー」の目安タイムは22:34ごろです。



【キャンペーン】3月12日「サイフの日」

一般社団法人日本バッグ協会主催、3月12日「サイフの日」プレゼントキャンペーンが開催されます。

アンケートに答えると、抽選で豪華なプレゼントが当たります。A賞は、商品券5万円分を10名様に。B賞では、オリジナルフラグメントケースを30名様に。2月20日(火)から応募受付開始です。

このほか、くわしくは日本バッグ協会公式ウェブサイトをご覧ください。
   


イベント】「フェニックスナイト」

大阪の人気ショップ「レザークラフトフェニックス」の恒例企画、「Phoenix night(フェニックスナイト)」が2月16日(金)に行われます。通常は最終週ですが、2月23日(金)が祝日のため、変更となっています。
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月に一度の延長営業日をイベント化。レザークラフトに関する相談や質問などもしやすく、普段は来店しにくい方も仕事帰りに立ち寄れると好評です。
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当ブログの連載でお馴染みの村木るいさんが登壇する、初心者さん向けセミナーも人気。今回は、「裁断における固定と摩擦」をテーマにレクチャー。タイトルは難しそうですが、わかりやすく丁寧に解説してくれます。なお、セミナーは要予約。エントリーがない場合には行われない可能性がありますので、お早めに!


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

暖冬から一転、南岸低気圧の影響で東京23区全域をはじめ関東甲信の広い範囲に大雪警報が発令されました。今週は東京ビッグサイトで大規模な見本市が行われるため、前日からの準備や来場に影響が・・・。2つめのトピックでお知らせします。

今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【YouTube】「TLA」

一般社団法人日本皮革産業連合会 公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で新着動画が公開されました。
皮革・革製品のサステナビリティを発信するThinking Leather Action(TLA)事業から、皮革・革製品がエコでサステナブルな理由<15秒動画>(革を作るためだけに、動物のいのちを奪うことは無い篇)が公開中!


YouTube、Instagram、facebook、tiktockで動画広告を開始し、現在、118万回再生を突破しております。さらには、もう一本アップされています。皆さまにぜひご覧いただき、拡散のご協力 お願いいたします。



【レポート】「ギフト・ショー」

日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第97回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2024」が2月6日(火)からスタート。東京・有明 東京ビッグサイト 東展示棟 1~6ホール、西展示棟 1~2ホール、アトリウムで開催されています。同時開催展として「第15回LIFE×DESIGN」、「LIVING&DESIGN2024」、「第35回グルメ&ダイニングスタイルショー春2024」が行われています。

皮革業界関連は、「第15回LIFE×DESIGN」に(西展示棟 1F)出展。一部のブースをご紹介いたします。

「東京都製革業 産地振興協議会」
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関東染革協同組合、東京鞣製組合、東京皮革関連企業協働組合、全日本ピッグスキンタンナーズ工業組合、江東製革事業協働組合、昭栄製革協同組合の計6つの団体からなる大規模な組織「東京都製革業 産地振興協議会」がブース出展。
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東京都墨田区エリアでつくられるピッグスキンを用いた製品を展示。
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クリエイターとのコラボレーションによるコレクションもお披露目となりました。

「台東ファッションザッカ」
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国内有数のファッション雑貨の産地として知られる、東京都台東区周辺エリアのものづくりの魅力を発信する同プロジェクト。
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皮革関連では野村製作所(「CROCCO」)、塩野(「CALDO TOKYO」)、デコルテ(「Je temmene」)、エタニティ(「cawato」)、Varb Creation(「U‐DOT」)が参加。
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定番および新作アイテムを発表しました。

「OSAKA KABAN」
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大阪鞄協会 が独自に設定した品質基準を満たした鞄だけがブランド登録することができる地域ブランド、「OSAKA KABAN」。
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日本製高級鞄を手がける各社の自信作がそろいます。


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参加社のひとつ、西川商店は、クロコダイルレザーを使用したオリジナルブランドを展開。ファッション誌「LEON」掲載アイテムなどを展示。百貨店でのポップアップイベントも好評です。


「東東京モノヅクリ商店街」
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国際ファッションセンター株式会社によるイーストトーキョーのモノヅクリ企業を支援するプロジェクト。東東京モノヅクリメーカーが集まる架空の商店街というコンセプトで展開しています。
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第9期メンバー8社のうち、半数が革製品を扱う事業者です。
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各社とも、ライフスタイル提案に磨きをかけています。



【展示会】「山陽レザー展示会in東京」
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老舗タンナー、山陽が東京で展示会(「山陽レザー展示会 in 東京」2024 Autum&Winter Collection」を本日、2月7日(水)から二日間、東京・浅草 浅草公会堂 1階 展示ホール(東京都台東区浅草1-38-6)で行います。
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2023年の6月に続き、今回が2回目。この度も天然皮革の魅力が伝わる150枚以上の多彩なレザーをラインナップ。写真は前回開催時に撮影させていただきました。
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本ヌメ革(ピットヌメ)、プレミアムレザー、環境配慮革、機能性革、コードバン調レザーや復刻版(トラディショナル)レザーなどの多種多様な革を展示予定。予約不要・入場無料です。
くわしくは下のリンク先をご覧ください。



【イベント】「皮革フェア」

皮革産地、兵庫県姫路市で行われる、春の人気イベント 「皮革フェア」の日程が御着四郷皮革協同組合 公式SNSアカウントで発表されました。今年度は3月10日(日)です。地元タンナーが上質なレザーを大放出! スケジュールを調整して、どうぞお出かけください!!



【イベント】「丸喜大感謝祭」
 
皮革卸 丸喜が2月13日(火)~15日(木)、東京・奥浅草の本社で「丸喜大感謝祭」を行います。社内にあるレザーがすべて感謝プライスに。完全予約制(入れ替え制)となっているそうですので、気になる方はお早めに。



【ラーニング】「大阪府皮革業界総合研修」

恒例企画「大阪府皮革業界総合研修」がスタートしています。2月13日(火)は、「革とものづくり ~令和時代の外注との付き合い方」。

浪速屋工業株式会社(レザークラフトフェニックス)の横井友哉さんと当ブログ連載でお馴染みの村木るいさんがご登壇。

「今回は元カバンメーカーで営業・外注管理を行っていた豊富な経験を持ち、現在取締役部長として人の管理を行っている横井さんと一緒に<クリエイターやデザイナーを雇うメリットとリスク><ランサーズなどでIT系の仕事(デザインやHP作成)などをする際にどういうふうに頼めばいいか?><この頼み方をやると見限られる!><SNSの外注はありかなしか?当社ではこうしている!>などを解説していきます。

ネットまたはリアルで外注を頼みたい人、外注仕事を受け取りたい人、両方の助けになる内容をお伝えします」(村木さん)

コロナ禍を経て、働き方がさらに多様化するなか、働きたい人、働いてくれる人を探す人も参考になりそうですね。
くわしくは下のリンクをご覧ください。


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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