欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2023年6月21日 の記事

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

6月後半に入り、恒例のコンテストが始動するなど、今年度のさまざまなプロジェクトがいよいよ動き出してきました。それぞれブラッシュアップし、進化しながら、2023年度もスタート。ワクワクしますね。
今回もイベント、展示会やメディア情報ほか、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。


【レポート】「杉野服飾大学展示イベント」

杉野服飾大学ファッションプロダクトデザインコース学生作品展示がエース「世界のカバン博物館」でスタートしました。
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杉野服飾大学ファッションプロダクトデザインコースは、「身につけるプロダクト」をキーワードにカリキュラムを編成し、斬新なアイデアを生み出し、実社会に通用するデザインを創造できる人材を育成。芸術、建築、デザインなどと深い関わりをもって創出されるファッション造形を学ぶコースです。

国内最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」歴代のグランプリおよび各賞受賞者をはじめ、ファッション業界の第一線で活躍するクリエイターを数多く輩出しています。
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製品化までのプロセスを踏まえ、デザインを追求した、4年生の卒業制作の中から選抜された作品たちが展示されました。そのなかから一部をピックアップ。まずご紹介したいのは「推し活」のためのバッグです。
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アーティストのライブで応援するためのうちわやアクリルスタンド(アクスタ)、公式グッズの収納、持ち運びニーズをキャッチしていますが、今回は若い世代にとって新鮮なレコード、映画館、バイクをはじめとした趣味の活動への広がりが。
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細分化したニーズ、使用シーンを絞り込むことで熱量の高いコミュニティとマッチングしそう。

新しいニーズの掘り起こしも気になりました。ちいさなお子さんのためのレザーバッグや、お守りがわりになるようなバッグに可能性を感じます。
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大人に憧れる多感な時期にファーストシューズのような感覚で選んでいただきたいミニバッグ。七五三に合わせたギフトとしても。上質なレザーバッグを贈り、「いいものを大切に使うひとになってほしい」そんな願いを込めて。

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風水の影響で幸運日・開運日に財布をお求めになる購買行動が定着していますが、その流れにぴったりのお守り的なバッグ。2年ほど前からZ世代に「簡体字」が注目されるなか、「梵字」にフォーカスしたのは慧眼ですね。

学生の皆さんのリアルな感覚である「バッグを持つ機会が減っている」ことをとらえ、若い世代がバッグを持ちたくなる提案として、「着こなしのポイントになる」「個性を表現できる」というコンセプトも多くみられました。
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Y2K(2000年代)ファッションが再評価され人気ですが、当時の「エディターズバッグ」「ITバッグ」ブームの本質のひとつとして考えられる、「バッグで自分らしさ・目指す自分の在り方を表現したい」という女性たちの想いが作品づくりに反映されていて感慨深いです。
ワンカラーやトーン・オン・トーンのカラーコーディネートがロングトレンドとなっているので、単調にならないよう、着こなしのアクセントとなるバッグが必要となると思われます。
「バッグを持つ」「バッグを軸としたおしゃれを楽しむ」ことを再発見してほしいですね。
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今回の展示作品では、SNSなどのオンラインではなく、オフラインのコーディネートで、バッグを楽しむためのさまざまなアイディアがバッグに落とし込まれていて、とてもうれしく、みずみずしい感性が眩しかったです。
卒業後、デザイナー、企画担当者となり、ファッションアイテムとしてのレザーバッグを提案してくださることを期待しています。
会期は6月30日(金)まで。入館料・無料です。



エース「世界のカバン博物館」は、大手鞄・バッグメーカー、エース株式会社が1975年に開設。「鞄を通じて世界の風土や歴史を紹介する施設を作りたい」と創業者 新川柳作さんの思いが込められた企業博物館です。同社創業70周年の節目、2010年「世界のカバン館」から「世界のカバン博物館」へとリニューアルしました。



【コンテスト情報】「ジャパンレザーアワード」

今年で16年目を迎える国内最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」が今年度も始動。6月19日に「ジャパンレザーアワード2023」公式サイトが公開され、事前エントリー受付がスタートしました。
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一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)では、毎年、「ジャパンレザーアワード」を開催することにより、国産のなめし革等を使用した作品を全国から募集し、審査により優れた作品を選出することで、新たな"発想・表現"のできる人材の発掘と育成に取り組んでいます。

昨年に引き続き渋谷エリアにおいて、9月30日(土)・10月1日(日)の2日間、全ての応募作品を展示する「応募作品展」を開催。
厳正な審査により選出された全ての受賞作品は、メディアで話題の体験型店舗「b8ta-Osaka Hankyu Umeda」(阪急うめだ本店 8F)に、12月1日(金)~1月4日(木)の約1か月間展示されます。

開催概要、募集要項などの詳細については、下のリンク先をご参照ください。



【YouTube更新情報】「JLIAtv」

当連合会 公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で新着動画が公開スタート!


今回は、「ジャパンレザーアワード」事前エントリー受付スタートのお知らせです。

「ジャパンレザーアワード」は国内最大の革製品コンテストで、今年で16年目を迎えます。国産のなめし革などを使用した作品を対象としていて、革を用いた製品の新たな可能性を見出すアワードです。ぜひ、ご視聴ください。放送内容を掘り下げた放送後記はこちらから。



【メディア情報】「ジャパンレザーVOICE」

インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信、「ジャパンレザーVOICE」(レザボイ)2023年度第二弾(第12回)が6月21日(水) 16:00からアズーリFM公式サイトよりライブ配信(生放送)されます。

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第一特集:「キーパーソンインタビュー」

レザークラフトファンに人気のブランド「.ウルクスト」を手がけるクリエイター 土平恭栄さんにお話しをききました。
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第二特集:「注目コンテンツDIG」

今回は、「雨の日も真夏日も楽しめるオンラインミュージアム」特集です。
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大手鞄・バッグメーカー、エース株式会社が運営する「世界のカバン博物館」(難波館長のおすすめコーナーを特別編集)と、東日本バッグ工業組合の企業が集まって生まれた新しいプロジェクト「BAG MAKERS TOKYO」をお披露目となった展示会「TOKYO嚢物展」をデジタルアーカイブ化したオンラインミュージアムをご紹介します。ぜひ、ご視聴ください!


【展示会情報】「富田興業」2024年春夏個展

皮革業界のリーディングカンパニー「富田興業」の2024年春夏コレクション個展・神戸展が6月22日(木)~23日(金)の2日間、神戸レザークロス(神戸市長田区)で行われます。
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6月7日(水)~9日(金) に行われた東京展(写真)ではハイブリッド藍染め、デニムの染色・加工技術を生かした革づくりなど、新しい取り組みを発表し好評でした。お見逃しなく!



【イベント情報】「TLGFC」

東日本バッグ工業組合 組合員有志による「TLGFC/TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが6月22日(木)~28日(水)、池袋駅構内 南改札外イベントスペース(東武百貨店 B1F 6番地入り口前)で開催されます。
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腕利きメーカーが自信作・意欲作を披露。多彩なバッグ、財布、革小物がそろいます。写真は前回(2023年5月)開催時に撮影させていただきました。
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老舗財布メーカー、駒屋が初参加。使いやすい工夫がいっぱいの財布、革小物が人気でした。

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つくり手自身が応対し、製品についてくわしく説明するのも好評。素材、つくりなど納得してお求めいただけます。夏のボーナスで自分へのご褒美をお探しの方にもおすすめです。



【イベント情報】「本日は革日和♪」

当ブログの連載でお馴染みの村木るいさん主宰の人気イベント「本日は革日和♪」が6月23日(金)~24日(土)、兵庫・神戸で初開催! クラフト・インフィニティで行われます。

「レザークラフト・フェニックス」「Zittools」「抜き型工房かわさき」に加え、「Studio Yamato」(刻印)の初参加が発表されました。くわしくは下のリンク先をご覧ください。



【イベント情報】「したまち小粋マーケット」

恒例企画「したまち小粋マーケット」が6月22日(木)~25日(日)、JR上野駅中央改札前のグランドコンコースで開催されます。バッグ、シューズ、財布、革小物など、台東区周辺エリアを拠点とするつくり手たちのとっておきの逸品を紹介します。


今回は「旅先は、未定。」をテーマに、夏に楽しい製品を提案します。通勤通学の乗り換えなどで多くのひとが行き交う上野駅は、新幹線や長距離列車も数多く発着。そんな日常と非日常の結節点となる場所で、トラベルアイテムを探すことで旅行気分を満喫できそう。コースや着こなしを考えたり、旅じたくって楽しいですよね。マーケットのひとときが素敵な時間になりますように。



【メディア情報】「ぶらり途中下車の旅」

人気テレビ番組「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系/土曜9:25~)6月24日放送(都営新宿線)に、革小物専門店の東屋が登場するそうです。

袋物博物館やすみだモダン認定商品の革製品の紹介が予定されています。歴史的な革製品や伝統技術を生かしてつくられる日本製革製品にご注目を。



【イベント情報】「NAGASHI KII SHOE MAKING 20th」

専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジなどを運営する学校法人水野学園青山校舎に併設する多目的展示スペース「HOLE IN THE WALL(ホール・イン・ザ・ウォール)」で、同校シュー&バッグメーカーコースの講師 紀井長(NAGASHI KII)さんの個展がスタートしました。

ライフワークとして毎日インスタグラムで配信される[REshuse](RE + shoes + use)シリーズは、履けなくなったけれど思いがあって捨てられないシューズを解体して新たに再生。そのクオリティが高く評価されています。

シューズコース20周年を記念したこの展示では、靴を学ぶ学生たちへメッセージを込めて作り続けた作品の一部を展示。幅広い世代のシューズファン必見です!



【イベント情報】「山陽レザーフェア」

兵庫県内地域の魅力を発信するメディア「Localprime」と山陽のコラボレーションによるイベント「山陽レザーフェア」が6月25日、10:00~17:00、#キュエル姫路 2F 特設会場で行われます。

ワークショップ(予約終了)や「革の勉強会」(参加無料/3回実施)をはじめ、革製品・革素材の販売も。お見逃しなく!










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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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