欧米ブランドに「負けていないぞ!」

January 24, 2024

ジャパンレザー NEWS【まとめ】<1月第4週>

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

先週、皮革卸企業の個展にお邪魔し、最新コレクションを拝見しました(レポートは2月14日更新分に掲載予定です)。時代に対応しながら、ジャパンレザーの新しい可能性を提案する皮革素材が多く発表され、つくり手の皆さまのポジティブな想いにうれしくなりました。

一方、NTTdocomoが2030年ごろのサービス提供開始を目指す第6世代移動通信システム(6G)に向けた新技術を「docomo Open House'24」で発表。「人間拡張基盤」のひとつ、触覚共有技術がメディアで紹介されました。皮革産業の未来を明るく照らすきっかけに!? 二つ目のトピックでお知らせいたします。

今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【メディア情報】「TLA」

皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト、Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション/TLA)事業の新聞1ページ広告2回目の出稿がスタート。本日、1月24日(水)には、日本経済新聞(以下 日経)および日経産業新聞に広告が掲載されています。

<日経本紙>
■1月24日(水) 全国朝刊本紙 
掲載面:6面(全広面)

<日経産業>
■1月24日(水) 日経産業新聞
掲載面:6面(全広面)

<日経電子版>
同じく1月24日(水)より、日経電子版にてタイアップ広告『革製品って、実はサステナブル 干場義雅氏と語り合う「確かな魅力」』が公開予定です。
人気ウェブメディア「FORZA STYLE」(講談社)編集長 干場義雅さんとTLA 川北芳弘座長が革製品の魅力や革のサステナビリティについて、それぞれの視点で語り合っています。ぜひ、ご一読ください。


Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション/TLA)公式ウェブサイトがオープンしました。併せてご覧ください。
TLA ヘッダー.jpg



【メディア情報】「人間拡張基盤技術」

1月17日(水)・18日(木)、東京・丸の内 東京国際フォーラムで、NTTdocomoの最新テクノロジーを紹介するイベント「docomo Open House'24」が開催されました。

docomoは、人間の五感を相手に合わせた形に変換し共有する「人間拡張基盤技術」を用いて「フィールテック™」を開発。味を分析数値化することで、誰かと同じ味を感じられる味覚が共有できる技術は、俳優 綾瀬はるかさんとタレント 彦摩呂さんが共演するテレビCM、YouTube動画などでもお馴染みですね。


このほか、2030年ごろのサービス提供開始を目指し、2018年から5Gの高度化(5G evolution)ならびに第6世代移動通信システム(6G)に向けた検討と研究開発が推進され、最新技術が続々と登場しています。そのひとつ、触覚共有について、「ワイドナショー」(フジテレビ系/日曜10:00~)で紹介されました。

「(フィールテック™ は)円滑なコミュニケーションを実現するための言葉とか文字とか、映像ではきちんと伝えることができない人の動作とコツ、感覚、感情を相手に合わせたかたち、相手が理解できるかたちに変換して共有できる技術です」(NTTdocomo 慶応義塾大学大学院 特任教授 石川博規 博士)。


遠く離れた場所にいる人同士で触覚を共有することができる「触覚共有技術」。指輪型の機械(センシングデバイス)を身につけた人がものに触れると振動を感知し、その振動がマウスのようなボール型のデバイスを通じて伝えたり、離れた場所にいる人も同じ触り心地を感じることができる、という世界初の技術だそうです。

今後は、ネット通販で製品の素材が確認できたり、ものづくり技術の伝承や手づくり体験ワークショップなどでの利活用も想定されます。
吉比様2401個展起毛.jpg
ECサイトで、レザーの質感や、バッグや靴の重さもわかるようになるのはおそらく数年後になるでしょうか。これは皮革業界にとって革新的なトピック。ワクワクしますね!
(写真:吉比産業 23-24秋冬コレクション個展より)


日本初のジャパンレザー総合プラットフォームとして人気を集める「teema(テーーマ)」でも、触覚共有技術を利活用することで、ジャパンレザーの優れた風合い、秀逸なタッチ感を世界中のレザーファンにお伝えできるようになったら素敵ですね!

「ワイドナショー」は「TVer」で見逃し配信中。目安タイムは、45:45~。配信期間は1月28日(日)朝まで。



なお、「docomo Open House'24」は、オンラインサイトで2月29日(木)まで展示を掲載しています。



【イベント】上吉川祐一 写真展「いのち」

レザーファン注目の写真展がフジフイルムスクエアでスタート。2月1日(木)まで開催中です。写真家 上吉川祐一さんが、畜産農家からタンナーまでを丁寧に取材し、牛革製品が完成するまでの過程を撮影した作品を展示しています。

「皮革産業の盛んな兵庫県たつの市で生まれ育ちました。初めて牛革財布の撮影依頼を受けたのは15年前。その後も依頼をいただく中で、どのような過程を経て牛革製品となっていくのかに興味が湧き、取材を続けてきました。食肉加工をするための屠畜場では目を背けたくなるようなシーンもありましたが、大切な命をいただいて生活をしているという事実にあらためて気付かされました。私たち消費者が目にするのは製品となった後ですが、その過程には多くの人たちが関わっています。写真展を通じてその人たちの思いとともに私たち人間は動物や生き物たちに生かされているということが少しでも伝わればうれしく思います」(上吉川祐一さん/フジフイルムスクエア公式ウェブサイトより)。

食肉の副産物として産出される皮を利活用してつくる牛革製品を通じ、「いのちの大切さ」について考えるきっかけとなりそうですね。

巡回展は、富士フイルムフォトサロン 札幌で3月15日(金)~3月20日(水・祝)、富士フイルムフォトサロン 大阪で5月17日(金)~5月30日(木)に行われます。どうぞお楽しみに。



【メディア情報】「ジャパンレザーVOICEダイアリー」

2023年12月20日(水)に配信された「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」。その放送後記「ジャパンレザーVOICEダイアリー」第18回が公開されました。
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第一特集「キーパーソンインタビュー」のゲストとして、国内最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード2023」グランプリ受賞者 石橋善彦さんをお迎えしました。
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レザークリエイターを目指すきっかけやグランプリ受賞作品についてなどをお話しいただきました。



第二特集はジャパンレザーに関するさまざまなトピックを厳選してお届けする「最新トピック紹介」。今回は11月03日の「いいレザーの日」にちなんで、秋のイベントレポートをご紹介。
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「浅草エーラウンド」「O-ROUND(オーラウンド)」「SOKA革市」「獨協大学 SOKA LEATHER SAVOR」「豊岡鞄展」についてご紹介しました。
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ぜひ、ご覧ください。


なお、「豊岡鞄展」でご紹介した兵庫県豊岡市は人気の温泉地、城崎にも近く、ショッピングツーリズムにもぴったり。アクセスは、地元のコウノトリ但馬空港がおすすめです。羽田空港から最短で2時間(大阪国際空港・伊丹空港で乗り換えあり)。JAL国内線運賃全面リニューアルや但馬各市町の運賃助成制度によるキャッシュバッグなどもあり、とても注目されています。お出かけの際、利用してみてはいかがでしょうか?



【展示会情報】「富田興業」神戸展

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皮革卸「富田興業」2024年-25年秋冬コレクション個展 神戸展が2月1日(木)~2日(金)の二日間、兵庫県神戸市長田区 神戸レザークロスで行われます。神戸展のご来場については、インスタグラム公式アカウントのDMなどでご確認ください。


東京展では「革の解放」をテーマに展開。
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革という素材の新しい可能性を探求し、伝統的な使用方法や規範から解き放たれた新しい表現を試みています。
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ゲストブランド的に神戸レザークロスのブースも展示されました。


【業界トピック】革製品メーカーがサッカー選手と個人スポンサー契約を締結

鞄・革小物の製造を手がける株式会社wajiが、2024年1月1日に松本光平(まつもとこうへい)選手(ニュージーランド Hamilton Wanderers所属)と個人スポンサー契約を締結。失明危機に陥るも現役復帰を果たし、プロとして挑戦し続けるフットボーラーをサポートしていきます。

同社代表取締役 菅野裕樹さんと松本選手はフットサルのプレーを通じ親睦を深め、自身の置かれた状況をハンデと思わず挑戦を続ける松本選手に心を鷲掴みにされたことがスポンサー契約のきっかけに。同社の挑戦へのモチベーションをさらに高めるものと考え、ともに挑み続ける姿勢でサポートしていくとのことです。

契約にあたり、松本選手に視力障害を持つ方でも使い勝手の良い財布と白杖ケース(共に本革製)を特注製作しプレゼントしました。こうしたプロダクトを、障害を持つ方と健常者の双方にとって使い勝手がよく魅力的なブランドとして展開することでファッションの壁をなくし、松本選手の「視⼒障害の⼦どもたちがスポーツをする環境づくりをしたい」という思いを実現するべく、商品代金の10%(予定)を活用できるプロジェクトを実行予定です。

松本光平選手は、セレッソ大阪U-15、ガンバ大阪ユースを経て、単身海外に渡りチェルシーの下部組織に所属し、ニュージーランドをはじめ多くのチームで活躍。2019年12月にカタールで開催されたクラブワールドカップには大会唯一の日本人選手として出場を果たしました。2020年にトレーニング中のアクシデントにより失明の危機に陥るも、過酷なリハビリによりわずか4か月でプレー再開。右目の視界はほぼ真っ白、左目は視力0.01以下という状況ながらも、細やかなプレーやフィジカルを補うためにフットサルチーム(デウソン神戸)にてプレー。ロービジョンフットサルでは2022年に日本代表強化指定選手に選出されました。2023年3月にフットサルチームを退団し、再びクラブワールドカップ出場を目指しニュージーランド Hamilton Wanderersに移籍。

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株式会社wajiは、2016年創業。プロのものづくり集団として本革にガラスを埋め込んだ革小物「glart(グラート)」や、ものづくりで保護猫を支援するプロジェクト「aoneco(アオネコ)」(写真・上)などのブランドを手がけています。2023年には大阪府堺市とSDGs実現に向けた「jidai(ジダイ)プロジェクト」を開始。堺市やタカラベルモント株式会社などのパートナーとともに、役目を終えた資材を用いた商品開発を行い、新たな価値の創造に挑戦しています。


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同社代表取締役 菅野裕樹さんは、配信番組「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」の人気コーナー「キーパーソンインタビュー」に登場し大好評。現在、「JLIAtv」で見逃し配信中。こちらも併せてご覧ください。



【イベント情報】「たいとう再発見スタンプラリー」

「ものづくりのまちで活躍するクリエイター・デザイナーと出会う」イベントが1月30日(土)、東京都台東区で行われます。
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昔から地場産業が盛んで、職人が多く住む台東区南部地域。ファッションや雑貨、デザイン関連の創業支援施設「デザイナーズビレッジ」の卒業生の工房や経営店舗をめぐり、まちの魅力を再発見できる企画です。対象は16歳以上の方。定員15名。参加費 500円。くわしくは下のリンクをご参照ください。


プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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