欧米ブランドに「負けていないぞ!」

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。

今回は、タンナーが取り組む環境に良い革づくりを皮革産地、兵庫県たつの市を拠点とするタンナーで現地レポート。ドラム、レザーの新しい傾向、世界的な認証について、つくり手の皆さまからお話を聞きつつ、「環境に良い」革づくりの最前線を探ります。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!「暖かくなってきたので、タンナーさんに・・・」ムラキです。

普段は大阪で仕事をしています。革の仕事をしていて関西にいるメリットの一つはタンナーの集積地であるたつの市や姫路市が近い、ということです。そのためフラフラと行くこともあるのですが、今回は電車で2時間ほどかけてたつの市まで移動。現地でタンナーさんをめぐりました。

今回は、タンナーさんが推進している「環境に良い」革づくりに関しての紹介です。

・新しいポリプロピレンのドラムは環境にいい
・土に埋めると半年かからずに分解されるゼオライトレザー
・環境にいい、という定義はそもそもなに?
・LWG=Leather Working Groupという認証
・LWG認証とるのはこんなに大変

という話をしていきます。

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嶋田悟製革所

嶋田悟製革所の嶋田さんとは以前、皮革大学の講師をしていただいていたときに知り合いました。



近年SNSも始められており、ちょこちょこ見ていると「新しい設備入れました」と。


「古い木製タイコを撤去して新しいドラムを導入しました。
新しい物はいま世界的に主流になりつつある、ポリプロピレン(PPH)素材のものを選択しました。革造りに様々なメリットがあります。
気になる方はGoogle等でPPH drum tanneryと画像検索してみてください。
大型の木製ドラムは通常バラバラの部品を輸入して、工場内で組み立てを行いますが、このドラムは完成品をそのまま導入します。
大型設備は道路の通行許可や重機の手配等、かなり手間と費用がかかります」(2024年3月25日投稿より)

!?
そりゃ見たいし触りたいなぁ、ということでアポをとって見に行きました。

2304jlia001.jpgのサムネイル画像

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ポリプロピレンのタイコはどう違う?

タイコ、、革を作る時にぐるぐると混ぜる機械をドラムと呼んでいます。英語でもdrumですね。従来は木製ですが、こちらの品はポリプロピレン製です。ペットボトルなどで「PP」と書かれているものですね。

こちらの品がポリプロピレン製のドラム。写真で見るよりもデカく、実際にコンコンと叩くと重量感があります。


ポリプロピレン製だと軽いのかなと思ったけど、叩いた限り重くて頑丈っぽいですな。

「木製に比べると軽いです。その分多く革をいれることができます。革を何十枚入れて水をいれると重くなります。その分電気の力で動かすときに電気代が多くかかるし、土台にも負荷がかかります。軽いと負荷も減り、電気も使う量を減らすことができるわけですね。
負荷はポリプロピレンだけで支えているわけではなく、ドラムの外側にある金属部分でも重さを支えて負荷を分散しているわけです」(嶋田さん)


木製のほうが自然的で環境にいい、という印象あるけど、ポリプロピレン製のほうがどういいの???

「洗浄が容易です。木製のドラムを使うと、例えばクロム鞣しの革を作る、ということを続けたドラムは水洗いして内部洗浄しても木製の内部にクロム成分が染み込みます。わずかな量ですが、この後にドラムでタンニン鞣しを行うと、革の中に微量のクロムが残ることがあります。クロムフリーの革です、と言いながら微量にクロム反応が出ることがあるわけです」(嶋田さん)


使う水量が減る、とかもあるんですか?

「それはポリプロピレン製だから、というよりも内部の構造によります。こちらのドラムでは内部に棒ではなく、羽がついています。この羽により水流が生み出され、より少ない水で革をなめすことが可能となります」(嶋田さん)


洗濯機みたいですね。

「実際に洗濯機の考え方も応用されているそうですよ」(嶋田さん)

少ない水で鞣し、コストも30%ダウンさせる新しい薬剤

日本皮革技術協会の環境対応革開発実用化事業のめっさ分厚い報告書が最近届きましたが、あそこに書かれていましたよね、新しい薬剤の話?


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「あれは経済産業省の補助を受けて新しい薬剤を複数使い、革の各工程で使うことで環境にいい、という革を作り、その革が実際には通常の革と性能が劣っているのか、どうか、というのを載せています」(嶋田さん)


それは新しい鞣し方ってことですか?

「この本の中ではいろいろな環境に対する負荷軽減の技法の話等が載っています。新しい鞣し方、というよりも革の工程の中で細々と革に対してメリットをもたらす、ということが可能で、それが結果的に革の価値やコストダウンや環境負荷を低減します、ということです。
当社が協力したのは、革のクロム鞣しの中にあるピックル工程が必要だったのですが、このピックル工程が不要になる、という鞣し方を紹介しています。
また、革の工程の一つである脱灰工程で新しい薬剤を使うことで、革のシワを伸ばして高い面積が取れるようになる。結果的に製品を作る際に効率が良くなる、というものも複合的に使ってみました。
これらの技法や薬剤は経済産業省の援助で行われているものですので、この報告書でも処方なども載せています(処方=革のなめしの中で薬剤をどれだけ使うか、革に対するアクションをどれだけ、何分行うか?phの値はこの数値を目指す、などが書かれたもの)。当社に限らず、いろいろなタンナーさんが目にして興味もってもらいたいですね」(嶋田さん)


本の中で紹介されている「生分解性に優れた環境に優しいゼオライト鞣し」ってのはどういうもの?

「ゼオライト鞣しは以前から行っているものですね。こちら実際に見てみましょう」(嶋田さん)

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あぁ、外から入ってくる時に、なんでこの部分だけ囲んで土の色が違うんだろ?でも生えている植物は特別な植物でも花でもないな、と思いながら見ていたんだが・・・

「この下にゼオライト鞣しの革を埋めています。ほら」(嶋田さん)

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???
これ、革? 
段ボールなどを土に埋めている、というわけじゃなくて?

「実際の革ですよ。Instagramやfacebookでも書いていますが、23年5月、9月、10月の写真です。その革ですよ。ちょうど埋めてから1年目、というのが今手に持っているものですね」(嶋田さん)


「ゼオライト鞣し革の生分解性テスト
牛の半裁1枚を丸々使ってます。
大きいので工場の空いてる場所に埋めて経過観察

土の状態が良くないので想定より分解具合がゆっくりですが、かなり土に還ってきています。

1枚の写真は5月、2枚は9月、3枚目10月

同じ鞣しでも、その後のレシピによって分解具合が大きく変わることも判ってきました。

今後更に研究を続けます」(2023年10月11日の投稿より)


「土の色が違うのは革を埋めて、外から違う革を持ってきて上からかぶせたからです。別にホームセンターで買ってきた、というわけではないですよ。植物が多数生えているのは別に何も植えていません。風に乗って勝手に生えてきているだけですよ」(嶋田さん)


土を触ってみたけど、虫も多数いるし、酸素量も多い良質な土ですねぇ。ここ以外の駐車場部分の栄養素が枯れた土とは全然違うなぁ。革を分解したから土に何かしら有害な何かが残っている、という感じもないですね。ダンゴムシやら他の虫もちらほらいますなぁ。

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「この革は、ムラキさんも見に行ったニューレザーコンテストで受賞もしていますし、今年のレザーアワードではこれらの革を使った作品も出されるそうですよ」(嶋田さん)

環境にいい、という定義はそもそもなに?タンニン鞣しは環境に良くてクロム鞣しは環境に悪いのか?

環境にいい、という定義はとても難しいです。イメージ的に「タンニン鞣しが環境にいい・クロム鞣しが環境に悪い」というものがありますが、何かしらの部分だけを取り上げたら、確実に「この部分は環境にいい」という部分を取り上げることはできます。ただ、そのやり方なり製品の別の部分で「環境に良くない」ということもありえます。

ライフサイクル分析(LCA)、というISO規格では、再生不能資源の枯渇・富栄養化・酸性化・温室効果・水使用量などの複数の観点から環境への影響について検討されています。これに照らし合わせると、鞣し方によって環境負荷が高い・低い、ではなく、製造工程や環境管理によって左右される、ということがわかっています。


鞣し方法によって環境への影響は異なるのでしょうか?「鞣しにはクロムを使うと聞きましたが、安全なのでしょうか?」

このLCAは分析、ですが、世界的な革の環境認証が今回紹介する「Leather Working Group=LWG」というものです。

Leather Working Groupという世界的な認証

さて、世界的な革の展示会に行くと、この「LWG」という文字が展示ブースでよく見かけられるようになってきています。この認証は2005年にナイキが音頭を取って始まった認証制度です。認証機関が認定、というものではありますが、レザーに関するブランドメーカー(ナイキや)、薬剤会社、タンナーなどが加入しています。

認証には250もの項目をクリアする必要があります。項目は、環境に対する項目として「省エネ」「省資源」「節水」「環境負荷への配慮」。安全性に対する項目として「工場内の安全衛生」。コンプラに対する項目として「法令遵守」。製品に対する項目として「規制物質リスト=消費者へのレザー製品の安全性の担保」「トレーサビリティ=生産履歴管理」があげられます。


2018年にLWGを取った繁栄皮革工業所

日本でいち早くこの認証を取ったのが繁栄皮革工業所さんです。



LWGという言葉を私が意識しはじめたのは、以前山陽さんへ話を伺いに行ったときです。


今回、話を伺ったのは繁栄皮革工業所の中嶋副社長さん。以前には「あぁ、大変そうな認証だなぁ」程度の認識でしたが、背筋が凍るほどの大変さでした。

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今回はよろしくお願いします。他のサイトなどでLWGを取ろうと思った経緯などが紹介されているので、違う切り口からお伺いしますが・・・

LWGとるのって大変なんですか?

「工場の中とかは見せられないものが多いのですが・・・この書類の束。LWG認証をとるためにはこの書類を書かなきゃいけません」(中嶋副社長)


これ、すぐかけるものなんですか?

「もちろん時間かかりますが、LWG認証って2年時間がかかるんですよ。この2年という時間は、できあがった革が2年経過してどういう風に変化していくか、というデータが必要となるからです。
さらに認証をとるためには、世界で14人いる認証員が実際に会社に来て1週間確認していきます。さらに、認証されても2年後にまた認証確認に来ます。このときに項目を満たさないと認証のランクが下げられることもあります」(中嶋副社長)


は!? プレッシャーすごいですやん

「もちろんです。最初に認証を受けたときは1週間で3kg痩せましたよ。当社は2018年に標準資格、21年にシルバー、23年にゴールドランクという最高峰を取得しました」(中嶋副社長)


250項目は上に書いたように、「環境負荷への配慮」「工場内の安全衛生」「法令遵守」「規制物質リスト=消費者へのレザー製品の安全性の担保」「トレーサビリティ=生産履歴管理」に分かれていますが、環境負荷への配慮はわかるんですよ。
工場の安全衛生や法令遵守って何を見るんですか??

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「ムラキさん、例えばあそこに焼却炉ありますよね?あれはゴミを燃やすものですが、あの焼却炉も環境負荷を考えたものであり、温度が表示されているようになっています。
一斗缶などでゴミを燃やしている、となると、LWGは習得できなくなります。工場内も見ていただけたらわかるように、人が歩くゾーンとフォークリフトが走るゾーンを分けるラインが引かれています。こういう細々としたことが250項目あるわけです」(中嶋副社長)


生々しい話を聞きますが、LWG取ったからって儲かる、というわけじゃないじゃないですか?
繁栄さん以外のタンナーが取ったら自社の旨味が減る、とかないんですか?

「現在LWG認証を受けたタンナーは、世界で2012年は129だったのが2023年は1180になっています。これは世界的な潮流です。例えばカバンなり靴のメーカーさんが世界の市場に出す商品を作る際には、このLWG認証を受けたタンナーの革を使わなきゃ当百貨店では扱わない、というのが増えてきています。さらにLWGが知られたら日本の百貨店でもそのような流れになるかと思います。
当社だけがこの認証受けていても意味がないんです。日本の他のタンナーさんも取ってもらいたい。
ムラキさんが以前行かれた山陽さんは昨年LWG認証を受けられましたが、当社もアドバイスなどは行いましたし、今後も他社さんでこのLWG認証受けたい、という人がいたらいくらでもアドバイスは行います」(中嶋副社長)



アドバイス受けたからって、これ取れるかな。気力・時間・体力、など社長に必要かと思いますが、他に何がいります?

「初期投資などのお金ももちろんかかります。で、それ以上に必要なのがケミカル=化学知識です。認証員は革を作る工程の質問を行います。その際に、『現場の~~さんが答えます』じゃ駄目なんです。社長がそれを答えないといけないわけです。だから、必要なのは社長に革を鞣すケミカルの知識が必要となります」(中嶋副社長)


LWG認証受けたからって儲かるもの?手応え感じます?

「現在、1か月に3~4件はブランドや学校が見学に来ています。特に若い学生さんは学校教育でSDGS教育を習った子が大学生になったり、もう就業しはじめています。海外に出す製品メーカーさんが、海外から言われて慌ててLWG認証受けたタンナーの革がほしい、と問い合わせが来て見に来られたりもしています。やはり時代は変わってきていますね」(中嶋副社長)

嶋田悟製革所さん、繁栄皮革工業所さん、を訪れて

2社とも、「情報は出します」「ぜひほかのタンナーもやってほしい」という思いは共通だと思いました。

両社の取り組み方は異なりますが、環境にいい、という面で非常に理知的な取り組み方だな、と勉強させてもらいました。革業界も多種多様な「環境にいい」取り組み方を行っています。これは自然環境に対する負荷に限らず、カバンや靴を作る労働環境や法令遵守(無理な残業していないか)なども言われるようになってきています。世界は変わってきており、時代の変化に立ち会っているな、と実感しますな。

この後さらにもう1社訪れて面白い話をもらいましたが、ここらはまた別の場所で紹介します。

ムラキ今後予定

5月24~25日 東京・浅草橋「本日は革日和♪」


7月19~20日 福岡・博多「本日は革日和♪」開催予定です

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。

今回は、皮革産地 兵庫県姫路市御着の恒例イベント「皮革フェア」と人気イベント「本日は革日和♪」(愛知県名古屋市)レポートです。

御着「皮革フェア」は4か所同時開催ですが、そのなかの一部を現地レポート。さらには、村木さんが主宰する人気イベント「本日は革日和♪」の名古屋開催分をセルフレポート。この春のジャパンレザーの動向を産地とユーザー参加型イベントから探ります。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!「4日間喋り続けて喉が枯れた」ムラキです。

最高5日間セミナーとかやっていたんですが、コロナでイベント体力が鈍っているのと、革日和の最中に話していた「カッターの話」5回くらいで喉と体力がつきましたね。ドラッグストアで事情を話すと、800円の噴霧タイプの薬を勧められました。トローチよりも強力ですな。

さて、今月は・・・

・姫路市御着で行われた「皮革フェア」視察
・愛知県名古屋市で行われた「本日は革日和♪」報告

同時に・・・

・革日和に出展したからって儲かりませんよ
・じゃぁなんのためにイベントやるんだよ!
・コロナあけても有料、かつ、事前予約制にしている理由

などを解説します。

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兵庫県姫路市、たつの市にはタンナーが集まっている

私がやっている「人に話したくなる革の話」というセミナーで、姫路&たつののタンナーについて説明しています。

日本全国でタンナーは、、、栃木県や山形県、長野県にそれぞれ1社~数社。東京・埼玉・和歌山にそれぞれ10社弱。で、兵庫県姫路市とたつの市で登録されている数で言うならば100社以上あります。

特に、姫路市とたつの市は全体で、というよりも地域に分かれています。

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(「ひょうご皮革物語」より)

今回訪れる御着地域は、「戦前よりタンニンなめしの底革の一大産地でありまた草履用青革の生産も盛んな地域。
戦後はクロムなめしに転換し靴用革底、草履用青革、服装ベルト用革、ぬめ革の他にクロムなめしの靴用甲革、靴用革、袋物用革、衣料革等の生産が盛んに行われています」。
(テキスト:「ひょうご皮革物語」より)

昔より底革が得意であり、私が秋に行っているタンナー見学バスツアーで訪れる「昭南皮革」さんも、この地域で底革やベンズなどを昔ながらのピット槽で作っています。


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この地域のお祭りとして開催されているのが、今回行く「皮革フェア」です。

兵庫県姫路市御着の「皮革フェア」を視察


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毎年3月に開催されるこのイベントでは、当日は各センターで屋台やイベントが開催されています。開催時間はなんと日曜の10時~14時のみ。その間に各センターを巡るループバスも巡航されています。

各センターではタンナーさんによるアウトレットや食べ物の屋台などがオープンしています。

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もし行くことがあれば西御着の総合センターの皮革資料室は見ておいて損はない

日本で革の資料を見ようと思うと・・・

・東京・教育資料室 きねがわ...「皮革と油脂」を中心とする木下川の産業資料と木下川小学校の学習成果を収集・保存・整理・展示



・東京・皮革産業史料館...

皮革産業資料館は、台東区の地場産業である皮革産業に関する製品や書籍、文献を収蔵・展示する資料館として昭和56(1981)年に開館しました。国内では唯一の皮革専門の資料館として貴重な存在です。展示品の中には元大関小錦の靴や長島茂雄氏のスパイクシューズなどもあります。




・東京・エース・世界のカバン博物館...革に限らずカバン、に関する資料館



これに加えて、今回訪れた兵庫県姫路市西御着の総合センターの皮革資料室があります。

・西御着の総合センターの皮革資料室

日本文化をになってきた皮革産業が、どのような工程でなされ、人々がどのように働いてきたのか、その歴史を示す資料を集め、皮革産業の歴史と文化を後世に遺すため、平成17(2005)年に西御着総合センター内に開室しました。

実際に昔使用されていた道具類や膠(にかわ)に関する資料、青革・タンニン革・クロム革・姫路革など、当時の「皮革のまち」を感じていただけるよう展示をしています。

皮革資料室の常設は、全国的にも珍しく、江戸時代から現代までの歴史的に貴重な資料も展示しています。



どういう資料室?

上記にあげている東京きねがわの資料室と同じ様にタンナー寄りの説明となっています。東京と違いゼラチンや膠などが重点的になっていますね。革に興味ある方は一度見ておいて損はないかと思います。

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「本日は革日和♪」in 愛知県名古屋 をやってきた


3月22日(金)・23日(土)、「本日は革日和♪」を愛知県名古屋市で行いました。

4日連続日程でイベント前日と翌日、1人でセミナーしていました

イベント前日の3月21日(木)には、愛産商会さんで「しくじりハンドメイド作家さん」「お金の話をしよう! ハンドメイドの値段の付け方セミナー」を。翌日3月24日(日)には、レザークラフトぱれっとさんで「漉き機を活かすセミナーハイパー~実機を前にして」を行いました。

「本日は革日和♪」展示会・ワークショップでは11社が参加し開催


佐々木工房 ハンドプレス機展示体験
サンプル師が教えるバッグ教室
ミヤツグ
抜き型工房川崎
刻印焼き印のStudio Yamato
nijigamitool
レザークラフトフェニックス
ZIT TOOLS
Japan Leather Craft Association - International Leather Craft Exhibition
Lized
グッドレザー

11社は結構大規模ですな。

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イベントは事前予約制・有料1,500円

イベントでは事前予約、かつ、1,500円の参加料をいただいています。

1枠3時間。1日2回。2日で合計4枠開催しています。以前は2時間×3回×2日、などだったのですが、やはり3時間ないとゆるりと見られませんね。

コロナもあけたのに予約制なの?

コロナが完全に終わったとは思っておらず、さらには麻疹の流行も言われています。いざというときの連絡先をきちんと確保しておきたい、というのが第1の理由。

第2の理由は、出展者から「有料制を維持してほしい」という声が多数あがったからです。
「無料だから行きます!」「予約なんてめんどくさい!」というお客よりも、「予約というめんどくさい手間を行い、きちんと情報を得るためにお金を払う」というお客のほうが出展者にしてもやり甲斐を感じるからですね。

5、6年前に愛知県一宮市で革日和を行った際は無料・予約制なし、にしていました。ですが、結果的に「全来場者の4割が開始2時間に殺到する」「翌日の午後からはすっからかん」という恐ろしい結果になりました。

ムラキさん、このイベントに出展したら儲かるの?

儲かりませんよ、さっぱり。特に革屋さんは儲かりませんね。

「じゃぁ出す意味ないやんか!」

アウトレット品なりセール品を販売すれば、そりゃ「やすい!」と儲かるかもしれません。ですが、それだけです。わざわざ出張費用かけて、ハギレなりアウトレット品を「無料だから来た100人」ではなく、「お金を払ってでも見に来た15人~20人 in 各枠」に叩き売ったとしても大した儲けになりませんがな~。

革は触らないとわからない情報が多すぎる。だからこそ、会場で革を触ってもらって「この革が気に入った!」という革を見つけてもらい、後日ネットから1枚でも買えるようにアピールする。そして革を売る、というのは会社の人を信用してもらう行為ですわ。「やすい革を売って儲ける」じゃなくて、「高いものを買うのだから、革屋のその社員個人が信用できるかどうか」を知ってもらうアピールをする。信用を売るのが目的ですわ。

だから、「アウトレット品は出展物の2割」までに限定。さらに、「初回の3時間枠でアウトレット品がなくなったから、後の時間のものも出して叩き売れ!」というのは絶対に許さないです。各枠のアウトレット品はきちんと保持しておいてください。「最終日の最終時間に行ったがアウトレット品はもうなかった」ってのは許さないです。それをすると、「最終日、最後の時間に行くと損だよ」と参加者から不信を買うからですわ。

革でも工具でも金具でも同じ。このイベントで売るのはその場こっきりの商品じゃなくて、"信頼"を売るわけです。

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3時間もあって退屈しないの?

予約時にアンケートや「聞きたいこと」などをまとめています。個別に紹介や説明もします。会期中はずっと私が受付場所で会場に気配飛ばしています。退屈そうにしていたら声かけしたり、30分ほどで話す「技法の話~世にも奇妙なカッターのはなし」などを行います。

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・カッターの致命的な欠点とそれに対する各社の回答
・ものが切れる原理と考え方
・最も切れるカッターナイフとその思想
・カッターナイフを最も多用する業種
・腱鞘炎にならないためのカッターナイフの使い方

これらを実際のカッターナイフで実演・体験しつつ会得してもらいます。上の写真にあるカッターナイフなんて普通は革業界では使いませんが、私の普段の特定の仕事では大活躍しています。

今回でしたらカッター以外にも、

・狩猟をしているが取った鹿の革などを鞣したい
>この国の害獣駆除助成の話や鞣し技術の載っている本の紹介
・芯材の使い方
・革会社の違い

などを個別に答えました。お金払って来てもらった以上は、きちんと得るものを得て帰ってほしいですから。

それらの講習はYouTubeでやってくれないんですか?有料でもオンラインでやってほしいんだが

YouTubeに載せない理由は2つ。

1つは、実際に触ってみないと凄さがわからないから。実際に目の前で実演し、相手に体験してもらう際に、「ここに力入れたら駄目」「あなたの手先は猫の手で、カッターが猫の爪の先端でひっかくかの如く切って」など、相手にあわせたアドバイスを与えないと技術は身につかないからです。

もう1つは、「ムラキさんはお金払ってくれる人に優しい」からです。これは、今回4日間毎日言っていたことですが、対価をもらわない限り優しくありません、私は。そして、お金なり対価を払わない人間は、それで会得したものを大事にしないですね。

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今後の革日和やムラキ予定

・5月24日(金)・25日(土) 東京 浅草橋 文具共和会館

5月23日(木)・24日(金)は「東京レザーフェア」も開催しています。



さらには、5月23日(金)~25日(日)は、台東区南部エリア一帯で行われるビッグイベント「モノマチ」も開催されます。

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
2024年第二弾は、大阪府皮革業界総合研修で、今年度も「革とものづくり」という対談を行った、という話。

恒例企画、大阪府皮革業界総合研修に村木さん自身も「革とものづくり」というテーマで登壇。村木さんのセミナーの内容についてポイント解説と、そのほかの回を受講者としてレポート。独自の視点でまとめています。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

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毎度です!「段取り8割!対談もイベントも事前準備が大事!」ムラキです。

今年度も大阪府皮革業界総合研修を見てきました。そして、登壇してきました。登壇、というか、狂言回し役ですね。

今回の話は、

・大阪府皮革業界総合研修、今年も面白かった
・こういう話をしてきた
 「革業界の専門職種 メーカーという役割」
 「人の育て方」
・対談形式、って見た目以上に準備が大変

というような話です。

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大阪府皮革業界総合研修とは

この研修は、皮革関連産業の振興のため、関連企業の経営者並びに従業員の方々に、最新の業界の動向やトレンド、あるいは実践的な経営の知識等を身につけていただけるよう、各界の著名な講師を招いて時流にあったテーマで実施されています。

大阪府と近畿経済局が毎年開催してくれる研修事業です。私が見に行くようになって10年以上になるのか・・・ほんとにありがたいな。

セミナーの内容紹介は下記でまとめています。


今回は2つ聞きに行ってきた&喋ってきた

 12月13日(水) 皮革・革製品のサステナビリティ 

 1月16日(火) 天然皮革~知っておきたい基礎知識~ 

 1月23日(火) これだけは知っておきたい革の特性 クレーム事例から学ぶ 

 2月6日(火) [講義/工場見学] 皮革のできるまで 

 2月9日(金) 「かわ」とサステナビリティ

 2月13日(火) 革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方 

このうち、「皮革・革製品のサステナビリティ」と「『かわ』とサステナビリティ」の2つを聞きに行きました。ほかの回も聞きに行きたかったのですが、満席で聞けませんでした。

上記セミナーの最後にある「革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方」を元メーカー勤務者・現フェニックス部長の横井さんと一緒に喋ってきました。

「かわ」とサステナビリティ、というセミナー、すごかった


2月9日に行われた『「かわ」とサステナビリティ』の登壇者は、国内の靴ジャーナリストの第一人者、大谷知子さんでした。

こちらの方は靴ジャーナリスト、というだけあって、例年、海外の靴の展示会「ミカム」のレポートや靴業界の動向分析などをなさっていますが、今年度は「サステナビリティ」という内容で話すとのこと。従来とは違った切り口ですので驚きました。

「今までとは違う切り口でを話す」ということは、違う勉強をきちんとしなきゃいけない、ということです。勉強をしてきちんとアウトプットしている、ってのは敬意を払いますわ。

内容も

・かわはどこからやってくるのか
・屠畜とは
・皮から革を作る歴史はいつから始まったか
・食肉に伴い生まれる「革」以外の主要製品
 ゼラチン、写真フィルム

などの話から

・タンナーが取り組む環境負荷の低減とサーキュラーエコノミー
・サステナビリティに対する革の意味

などと話も深くなっていき、聞いていて「最初は広く浅く」話が展開し、その後に「深く狭く」となっており、興味を持ちやすい構成になっていました。

セミナー『「かわ」とサステナビリティ』は、JLIA「TLA」と連動



私がもうひとつ受講した「皮革・革製品のサステナビリティ」は、TLA座長である川北芳弘さんによるセミナーでした。日本皮革産業連合会にせよ、日本タンナーズ協会にせよ、私にせよ、今、この「革は食肉産業の副産物ですよ」というような主張や講演などを増やしています。

川北さんのセミナーもTLAの座長だけあって面白いのですが、大谷さんの講演は「靴ジャーナリスト」という切り口から違う側面で「革のサステナビリティ」が語られていました。このようにいろいろな切り口や側面があることで、多種多様な入り口から革への知識を深めてもらえるのは面白いな、と思います。

圧倒的な専門家が一人だけ喋る、のではなく、多様な専門家が多様な切り口から革という素材を解説してもらう、という「情報提供が多様な切り口である」というのは現在の革業界の強みではあると思います。

革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方 という話


それに対して私が段取り、組んだセミナー「革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方」は、さっぱりサステナビリティなどと関係はありません。今回のセミナーで私がその話をしても、違う登壇者が語るならばそちらに任せます。私が大阪府から望まれているのは「他の方と違うことを毎年提供してください」というものですので、今回も違う側面から話をします。

なんと高校生が聞きに来てくれた

いろいろあって、ちょうどセミナーの前に「将来つくり手として生きたい!」という高校生に出会いまして。ちょうどいいからこのセミナー聞きにきな、と言ったところ本当に来てくれました。最近の高校生は行動力あるなぁ、と感心しました。

セミナー内容紹介

革製品づくりにおいて外注、というのは色々な面で存在します。
外注の職人や、内職さん、専門職の方々・・・昨今ではランサーズやココナラ、などのweb外注も存在しています。

・これらをお願いする上での注意点やトラブル事例。
・実際に外注ではなく内製した場合の困った点。
・さらにはSNSを外注は可能かどうか。注意点は?
・外注を依頼する人と、外注をしたい人との意識の落差とはどういうものがあるか

などを横井さんがレクチャーしてくれました。

セミナー内容抜粋

●革の外注の種類
●革の外注先はなぜ見つからないか?
●外注に頼んだら安くなるのか?
●外注はどう見つけるか?
●外注への頼み方
●外注の育て方
●SNSを自社で行う、デザイナーを自社で抱える
●仕事を頼むときの心構え
●こういうクライアントは嫌だ!
●外注の問題点
●今の時代は職人なり外注との付き合い方はどういうものか?外注との付き合い方
●外注に依頼するメリット・デメリットは?
●外注を探す、ではなく、育てることは可能か?育て方

セミナーちょっとだけ紹介:メーカーという仕事は各種加工業者を走り回るのが仕事

会場ではレジュメと一緒に、このセミナー用にまとめた限定ブログも作成しています。
そこに載せているのは当ブログへのリンクです。過去に載せたメーカーの話や各種加工会社の紹介をリンクで載せています。

現状、日本の靴なりカバンなりのメーカー仕事や加工業者の仕事を知りたいならば、動画やネットの文章、過去の文献あわせて、当ブログで過去に私が書いたブログが一番くわしいです。下記がセミナー受講生に紹介した内容です。

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メーカーは、クライアントから依頼を受けて「金具」や「革材料」などを仕入れるリスクを負って、各種加工を行って「請負職人」に縫製を依頼する。

セミナーちょっとだけ紹介:社内での人の育て方・外注の育て方

内製なり外注なりでの人の育て方は難しいです。外注は、ぶっちゃけ相性が悪い・こちらの要求するレベルに達していないならば切ればいいだけです。ある意味とても楽です。ですが、縫製にせよデザインにせよ内製する場合は、雇うコスト・首を切るコストがこの日本でもとんでもなく高いため、教育がとてもむずかしい。この前提に基づいて下記の話をしました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

もしあなたが内製でも外注でも、人に物を頼みたいならば・・・

内製するならば「育てる」覚悟がいる

・山本五十六の言葉

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」

「やっている、姿を感謝で、見守って、信頼せねば、人は実らず」

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外注するならば

・定期的にきちんと仕事を発注する

・まめなコミュニケーション

・逃げられないように

終了後高校生に感想を聞くと・・・

「ネットやYouTube動画を見ても全く載っていない情報ばかりでした!」と答えてくれました。

ビル・ゲイツでも手に入れられないのが「時間」です。私から見たら、「高校生かぁ・・・あと4、5回くらいはデカい失敗してもリカバリーできるから羨ましいな」と思ってしまいます。彼には失敗を恐れず、いろいろと経験してもらいたいものです。

対談セミナーでも段取り8割


このようなセミナーですが、事前に2時間ほど登壇者と打ち合わせをします。そのうえで、どのエピソードやどの話が今回のセミナーにふさわしいかを取捨選択します。今回は会話内容を単元ごとにまとめて、付箋紙に書いてどの順番で話すか、どのエピソードがいるかいらないか、などを判断します。内容をまとめて、付箋紙に各種話題をまとめて、それを順番に切り貼りしていきます。結構手間かかるんですよ。

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これらをもとに脚本を作ります。
脚本は、「この順番で話を進めます」「このときにこのエピソード話してほしい」「そのために話をふっかけます」というようなもの。

この脚本で全体の8割を規定します。残り2割は当日の会場に来る人の反応や来場者の事前リストをもとに話をしていきます。セミナーしているときは会場内の受講者が興味もっているか、暇そうか、などを逐一確認しつつ、適宜方向を定めていきます。結論などは変わりませんが、聞いた受講者が何を聞きたいのか、などを加減していきます。

アンケートを見せてもらいましたが、今回も受講者さんに喜んでもらえた、とは思います。

ムラキの今後予定


3月22日(金)・23日(土) 「本日は革日和♪ in 愛知県名古屋」


5月24日(金)・25日(土) 「本日は革日和♪ in 東京都浅草」
7月19日(金)・20日(土) 「本日は革日和♪ in 福岡県博多」


カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、革とイベントとインバウンドの話。
新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の年末年始を迎えるなか、ジャパンレザーを取り巻く現状とは?
村木さんのリアルな視点と肌感覚でとらえたレポートをお届け。2023年の締めくくりに相応しい内容です。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!「1、3、5月の革日和は手配を進めていて、7月もどうしようかなぁ」ムラキです。

個人的にはイベントやるよりも本読んで調べ物まとめたりするほうが楽しいんですけどね。

さて、2023年も今月で終わりです。今回は次のような話をしていきます。

・阪急百貨店のジャパンレザーアワード展示を見てきた(1月4日まで)
・チャットAiはどう使っているか
・訪日外国人客の現状とそれに対して何をしておくべきか
・革とリアルの価値

オチとしては「インバウンド客はまだ本番じゃないから準備をしておこう、1日でも早く」「触らないとわからない、というのはデメリットじゃなくてメリット」です。

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「ジャパンレザーアワード2023」受賞作品の展示(大阪・梅田)を見てきた 

阪急うめだ本店 8階 b8ta Osakaにて、「ジャパンレザーアワード2023」受賞作品の展示が開催中です。グランプリ受賞作品や各部門受賞作品を実際に手に触れて見ることが可能です。実際に見て触ることで手触りや質感、重さや軽さなども感じることができます。見られる方はぜひ行ってみてください。

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会場

b8ta Osaka(阪急うめだ本店 8階)


阪急「大阪梅田」駅から徒歩約3分
JR「大阪」駅から徒歩約4分

ジャパンレザーアワード、今年の受賞作で面白いな、と思ったのは

あくまでムラキ個人の観点です。良い、とか、悪い、とかじゃなくて、「面白いな」と思った点を載せておきます。どの作品も実際に触らないと面白さがわかりづらいのでぜひ触ってみてください。

グランプリ

パンチングレザー 刺し子ライダース

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刺し子は東北地方に伝わる技法として知られています。刺繍の一形態ではあり、「ジャパンレザーアワード」歴代の部門賞受賞作品、応募作品でも取り入れている作品もあるのですが、革ジャンでここまでやった人は珍しいですし、パンチング加工のレザーを利用しているところもいいですね。ぜひ実際に手にとってもらいたい作品です。

バッグ部門 ベストプロダクト賞

トートバッグ

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こちらは応募作品情報詳細でも触れているように、マチの特徴的な形状と革全体の艶やかさが非常に色っぽいバッグになっています。こちらも写真では伝わりづらい革の良さが出ていますね。

フットウェア部門 ベストプロダクト賞

擬態

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こちらの靴は木目調に染色を施しており、見た目が木材のように見えます。ですので阪急展示でも小さな革の破片も一緒に展示しています。見たお客さんが「これは革なんだ」と知ってもらうためですね。

ウェア&グッズ部門 ベストプロダクト賞

ジビエ鹿革半纏 (見立文覚宗三郎滝行図)


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ジビエの鹿革は何種類か目にしているのですが、シボがありここまでモッチリとした感触があるものは珍しいですね。手触りもよく、「あれ?これどうやって縫ったんだろ」と縫製も面白い作品でした。

名古屋のクリエイターズマーケットへ


名古屋で行われたクリエイターズマーケットに、営業をかねて革関係のブース巡りをしていました。差し入れ(お菓子詰め合わせ)を50袋用意したのですが足りませんでしたね。これは革関係の出展者がここだけで50以上も参加していた、ということです。

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ブックオフすげぇな

会場で驚いたことにブックオフが企業ブースに出展していました。「ブックオフがなんで手作り販売イベントに!?」と驚いて見てみると、和服をハンドメイドの材料として使ってくれ、というアピールでした。すごいことするなぁ。

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・ブックオフは、同イベントに関連するような企業ではないのに、グループ企業の告知をメインに出展
・和服をリメイクに活用できる素材であることをアピール
・イベント会場で販売するのではなく、ブックオフ(同社リユース&リサイクルをしているハードオフ業態)に誘導するためのフライヤーを積極的に配布

コロナ禍を起点とした断捨離ブームで、和服を手放すユーザーが増え、買い取ったものの、販売面で苦戦しているのか、在庫が増え過ぎてしまったのか・・・需要と供給のバランスが悪いのでしょう。しかし、リメイク用の素材としてアピールするとは慧眼! これら含めて「すごいことするな」という感心しました。

チャットAiその後:ネタ出しやアイディアの壁打ち相手には最適ですね。



今年2月に書いたチャットAi。その後も使っています。

ただ、以前も書いていますが、「事実確認の場合は必ず裏付け調査必須」「ネタを出すときの壁打ちに使う」「ネーミングやブログのタイトルを20個出して」などで使っています。

事実確認はホント~~~~~~~~~に信頼に欠けますね。絶対に裏付け調査しないと不安で仕方ないです。

今回はこのように使いました。

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ここからは日本政府観光局のウェブサイトを調べ始めます。

インバウンド客はコロナ禍前に比べてどうなったか?

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上のリンク先は、日本政府観光局(JNTO) が提供してくれているサイトです。

日本を訪れる外国人旅行者の数はどのくらい?
外国人旅行者が訪れるのは日本のどの地域?
外国人旅行者は日本で何を買っている?
海外を訪れる日本人旅行者の数はどのくらい?

などがわかります。

数字を羅列するだけでなく、定期的に情報をまとめてプレリリースで発行してくれています。

これをどう活用するかは使い手次第なのですが、見ているといろいろわかって面白いです。

・関西圏はコロナ禍前ほど人が増えていない=中国人観光客がまだ戻っていない
・現状の訪日外客数を見ると韓国>台湾>中国>香港>タイなどの順位
・日本の地域によってコロナ禍前と後で訪日数が全然違う

インバウンドのために何をやっておけば良いのか

ここらへんはいろいろあるんですが、とりあえずは「相手の言語に合わせたSNS(今ならInstagramかなぁ)を用意しておく」のは最低限だと思います。SNSではバズり、とか、いいね!数を稼ぐ必要はありません。数を稼ぎはじめるのは楽な行為です。それよりも「連絡先手段としてSNSアカウントを開設しておく」のが重要なわけです。

メール、という手段はすでに伝達手段として非常に問題があります。スパムメール、迷惑メールが山程来ますので重要メールが埋もれてしまっています。

SNSは連絡手段として重要です。「どのSNSをやっておけばいいの?」と言われたら「ターゲットとしているユーザーが使っているSNSは全部やるしかない」です。

革とリアルの価値

今回は・・・

・「ジャパンレザーレザーアワード2023」受賞作品の展示を見てきた
・「ジャパンレザーレザーアワード2023」受賞作品のここが面白い!という解説
・名古屋のイベントを見てきた
・チャットAiをこう使っている
・インバウンドの現状とインバウンドの動向の調べ方
・インバウンドをターゲットにするならSNSはやっておいたほうがいい

というのが各項目です。全部バラバラに見えますので、読んでいて気持ち悪かっただろうな、と思います。
これらは一応、全部結びついているつもり、です。

・革という素材は実際に触らないとやはり面白さは伝わらない
・ネットというものがどれだけ進歩しても、この「手触り」「質感」「ツヤと艶やかさ」「匂い」「コシの強さ」etcetcなどは伝えきれない
・でも、置いておけば売れる!良いものを作れば売れる!という時代でもない
・だからこそ、SNSなりで消費者や受け手に興味をもってもらい、リアルイベントで実際に手に取ってもらうのが重要
・チャットAiにせよイベントにせよSNSにせよ、単なる手段でしかない。なんのためにその「手段」を使うか。
<着物をハンドメイドの材料として売り出し、そのためにイベントに出る、という判断はほんとにすごい。

「触らなきゃ良さがわからない革製品」という品は、非常に今の時代価値を伝えづらいものかもしれません。
だからこそ、その価値を伝えるためにありとあらゆる手段を使う。イベントにせよチャットAiにせよSNSにせよ、「伝えるための手段」です。

見て、聞いて、情報を摂取し、触ることで過去の情報を自分の中で統合させる。
「イベントに出て宣伝する」じゃなくて、「宣伝をしてイベントに来てもらい、触ることで購入」してもらう。

触らないとわからない」という特徴は、「素材としての弱さ」じゃなくて「素材の強さ」という付加価値です。

今後のムラキの予定


・1月19日(金)~20日(土) 「本日は革日和♪」(大阪)



・2月13日(火) 皮革業界総合研修

革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方、というタイトルの研修のサポートをしています。



・3月 「本日は革日和♪」(名古屋)予定

・5月 「本日は革日和♪」(東京)予定


今年も一年ありがとうございました! 来年も革や技術やビジネス、歴史やネット技術などを食べあさりたいと思いますわ。

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。関西のイベント報告と、「革がサステナブル」という意見表明、情報発信はいろいろなところでいわれるようになってきた、という話。
11月は関西の各地でレザー関連イベントが次々と開催。村木さんが現地をレポートしてくれました。また、「革がサステナブル」であることについての発信がいろいろなところで行われていることについて、感じたことをリアルにまとめてくれました。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!
「この数年でほんとに5年か10年分、強制的に時代が動いている感があるなぁ」と思うムラキです!!

怒涛のイベントラッシュが終わり、残るは営業出張2つと東京での「キッズレザープログラム」の会議となりました。あとは2024年1月の「本日は革日和♪」(大阪)の準備や、3月や7月の準備です。

今回は、

・関西の革のイベント報告
・いろいろな場所で見た「革って持続可能な素材です」という意見表明や動き

を紹介していきましょう。

先月の更新分でも書いたようにイベントがほんとに多かったですね、今年は。


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11月2日(木)~6日(月)「姫路城皮革フェスティバル2023」

11月2日は平日でしたが、3日(金・祝)から6日の月曜日まで5日間続くこのイベント。陶器市なども開催されている大きめのイベントです。姫路城が見える大手前公園で行われました。

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お世辞抜きにお客さん多めですし、この「姫路城皮革フェスティバル2023」目当てで来られたお客様も多めなように思えます。外国人観光客さんも多かったですね。

・11月3日(金・祝)~4日(土)新喜皮革「2023年レザーフェスティバル」(兵庫・姫路)

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こちらは11月2日の準備している真っ最中にお邪魔しました。

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準備真っ最中。

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今後も秋だけではなく、春にもイベント開催予定だそうですので、下のインスタグラムやYouTubeをご覧ください。



11月10日(金)「Same-ol' トークセッション~革の世界でつなる人たち~」

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皮革専門卸 ミヤツグ代表・宮前健次郎氏が、名門タンナー、地元大阪の「Same-ol'」ブランドを代表する篠田英志氏とともに、それぞれの背景や歴史、自分たちの仕事にかける情熱などについてのトークセッションが阪急うめだ本店で開催されました。


宮前健次郎氏インスタ

Same-ol' HP

Same-ol' オンラインストア

海外のタンナー・日本の革屋・大阪のSame-ol'の3社合同のトークイベント。
ミヤツグさんは革屋の立場。タンナーさんは海外での立ち位置から。そして大阪の鞄メーカー数社の共同ブランドSame-ol'の立場。それぞれから革製造や革の特徴、鞄の特徴の話などをしていました。

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「Same-ol'」は参加者向けにストラップをつくる体験も行いました。


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阪急うめだ本店 8Fにて常設展示を行っており、11月21日までイベントスペースでもポップアップを出展。また、阪急との共同のイベント体験製品も販売されています。


・11月18日(土)・19日(日)「ひょうご皮革総合フェア」「たつの市皮革まつり」(兵庫・たつの)

こちらは例年どおりバスツアーを組んで行ってきました。

11月18日(土)「タンナー見学バスツアー」(「本日は革日和♪」)


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例年どおりニューレザーコンテストの動画を作成しています。

皮革まつり会場後には、例年どおり昭南皮革さんとオールマイティーさんを見学。

昭南皮革

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オールマイティー


以前も当ブログでご紹介しました。


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今回は猟師さんも来ていたので、「野山を駆け巡る鹿の原皮はこんな状態ののものもある」という原皮も見せてもらえました。

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ヒライコーポレーション

今回特別に姫路・高木のヒライコーポレーションさんにもお邪魔しました。


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ヒライコーポレーションさんでは、「当社の革はセッターで伸ばす工程を少なくしているのでシボありの革でもギュッと締まっています。そのため漉き作業などをするとやりやすい、と好評です」など説明をしていただきました。

サステナビリティについて発信する皮革業界

日本だけではなく海外タンナーも強く「サステナビリティ」を主張

前述の「Same-ol' トークセッション~革の世界でつなる人たち~」ではイタリアのタンナーが登壇していたのですが、「タンナーは食肉産業の副産物である皮を使っている」という趣旨の発言をしていました。欧州でもそんな主張を強くするんだな、と驚いたものです。

一般社団法人日本タンナーズ協会によるポスターやフライヤー

一般社団法人日本タンナーズ協会の事業である「日本革市」公式ウェブサイトをはじめ、イベントおよびショールーム型展示会会場において「本革は畜産副産物を有効活用したエコでサステナブルな天然素材」であることを発信しています。

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先日はフライヤーを分けていただき、各種イベントでも配布させてもらいました。その節はありがとうございました。



革のサステナビリティを発信していくプロジェクト、Thinking Leather Action(TLA)

皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト、Thinking Leather Action(TLA)事業にて、日経新聞をはじめとした新聞に1ページの意見広告を掲載しています。

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公式ウェブサイトがオープンしました。皮革・革製品などのサステナビリティについてわかりやすく解説していますので、ぜひ、ご覧ください。


ニューレザーコンテストで環境負荷が低い製法の新しい革を出展


上記動画で紹介している嶋田悟製革所さん(目安タイム 19:17~)は新しい製法で環境負荷の低い革を開発しました。


その新しい製法による低環境負荷レザーは、今年度の「ひょうごニューレザーコンテスト」エコレザー部門を受賞。新しい製法については、兵庫県立工業技術センター皮革工業技術支援センター発行「兵皮支ニュース」(2023年No45)で紹介されています。興味ある方は兵庫県立工業技術センター皮革工業技術支援センターに連絡してみてください。


海外の薬剤を輸入し、実験的に鞣したのだそうです。この技法を採用すると次のメリットがあります

・30%の製造コスト削減
・硫酸を使用しないため作業者への劇物を扱うリスクを避けることができます
・ピックル工程を省くため通常の処方より1日以上工程を短縮できます

これらはコスト削減ではありますが、同時に環境負荷を下げていることにもつながっています。

皮革業界は日進月歩で新しい技術ができています。CO2にせよ、水質汚染にせよ、環境に負荷をかけない技法や薬品などが開発され、それらを採用しているタンナーは存在し、それらのタンナーがつくった革を使うメーカーも出てきています。

皮革のサステナビリティ、環境負荷の低さを、もっと発信するべき時代

このような活動は、「良いことをしていたら黙っていても知ってもらえる」というものではありません。逆にきちんと発信しておかないと、「主張している方に有利なように法律を変えます」となるのが今の時代です。


それどころか、きちんと反論をしておかないと、マスコミやSNSなどでのバッシングもありえます。

良い品はこういう点が良いんです、という説明はとても大事

タンナー見学バスツアーや「ひょうごニューレザーコンテスト」の紹介などをもう5年以上やっています。「ひょうごニューレザーコンテスト」の動画作成は4年目くらいかな?これらは「直接タンナーを見ることで革作りの現場や、タンナー社長の思いを知ってもらいたい」「日本のタンナーもこんな面白いことやすごいことをやっている」というのを見てもらいたいからです。「良い品なんだよ、これは」と知ってもらいたいからですね。

説明するために、SNSしましょう! 動画やりましょう! という話ではありません。

デザインが良い。革の手触りが良い。縫製技術が良い。体に良い。さまざまな「良い」点があると思いますが、それらは「なぜ」良いのかをきちんと消費者に伝える努力をしないと、今の時代はエンドユーザーも企業も購入しません。それくらい「伝える」という行為が重要になってきています。

SNSや動画が重要!というわけではなく、「ターゲットとするお客が見ている媒体は全部やるしかない」のが実情です。新聞やラジオ、テレビもそうです。ネット媒体もそうです。紙媒体であるフライヤー(チラシ)などもそうです。何よりもリアルイベントや店舗で「実際に触ってもらう」ことが重要なわけです。

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「触らないとわからない」これが革という素材の強みと弱み

「触らないとわからない」というのは、今の時代において凄い強みです。どれだけネットが発達しても触覚や嗅覚、というのは伝えられません。だからこそ、売りづらい素材ではあります。個人的には「ネットで売りづらいからこそ、競合相手が参入しづらい市場」だとは思っています。

ムラキの直近のイベント


●「東京レザーフェア」12月7日(木)・8日(金)

私は今回全く上京しないのですが、上に書いたニューレザーコンテストの受賞作が展示されています。



●「革とものづくり~令和時代の外注との付き合い方」大阪府皮革業界総合研修 12月13日(水)~

毎年開催されている大阪府皮革業界総合研修。TLAの座長 川北氏の解説や、クレーム事例集を執筆中の稲次氏によるセミナーなどが開催されます。例年どおりムラキがピエロになってインタビューセミナーも行います。



●「本日は革日和♪ in 大阪」1月19日(金)~20日(土)


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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